オーストラリアのワーキングホリデーでは、1日の就労時間は無制限となり、同一雇用主の元で最大6か月まで働くことが可能です。最低賃金が高く、仕事の求人数が豊富なオーストラリアは、常にワーキングホリデー渡航国として1位の人気国です。
オーストラリアのワーキングホリデーで出来る職種はどのようなものがあるのか?仕事内容は、それに必要な英語力、そして求人の種類は?そのような疑問にお答えします!
<関連ページ>オーストラリアのワーキングホリデー情報
留学カウンセラー 桜井彰子
Contents
ワーキングホリデーの人気職種
ワーキングホリデーは様々なチャンスがあるビザです。現地で仕事ができますが、資格が不要なものと、必要なものがあります。例えば看護師やアシスタントナースなどは、日本で資格があってもオーストラリアで仕事はできません。
トリマーやアイリスト、歯科衛生士などはオーストラリアの資格がなくても、日本の資格で働けます。マッサージも誰でも可能ですが、患者さんが保険が適用できるのはオーストラリアの資格をもった人だけなので、仕事が多くもらえるのは、やはり資格をもって保険の適用ができるマッサージ師となります。
ウェイトレス(英語力中級・上級)
ぶっちぎりで人気なのがこれ。そして求人数も多いです。ジャパニーズレストランから、ローカルのレストランまで様々な場所で需要があります。オーダーをとったり、食器を下げたりする以外にも、メニューの内容を聞かれたり、またオーストラリア人はメニューにないもののリクエストをしてくることも多いです。
さらに、雑談も好きなので、日本のウェイトレスよりも、かなり友達感覚で接してくれます。こうしたことに対応できるように、ウェイトレスは実は高い英語力が必要となります。
ジャパニーズレストランやラーメン屋さんのウェイトレスは、カフェに比べると英語力は重要視されませんが、そうしたレストランのお客様もほぼ外国人です。そのため日本食レストランで会っても、ホールで接客をするスタッフはやはり英語力が必須です。
クリーナー(英語力中級)
特に南米の学生に大人気なのがこれ。ホテルのベッドメイキングやチェックアウト後のお部屋のそうじをするサービスです。
お客様と接する機会がないので英語力はあまり求められません。
ですが、上司の指示は全て英語になりますので、何を指示されているのかを理解する必要はあります。語学学校でいうところのPre-Intermediateレベルが望ましいです。クリーナーのお仕事は、ホテルがたくさんあるので何か所も掛け持ちしている学生も多いです。長時間の拘束をされないので人気のアルバイトです。
マッサージ(英語力中級)
リゾートエリアに多い仕事です。週末やナイトマーケットなどのイベント会場には必ずあります。ケガを治すような本格的な技術ではなく、肩をもんだりするような、自宅のおじいちゃんなど家族にするような気軽なマッサージです。日本人や韓国人、中国人などが、白衣を着てマッサージしている姿をよく見かけます。
リメディアルマッサージ(要資格)
これは要資格のものです。リラクゼーションと異なり、痛みを訴えてくる患者さんのための施術となるため、しっかりとした筋肉や骨格構造の知識が必要です。リメディアルマッサージの専門コースへ行きながら、卒業前にすでバイトしている学生が多いです。
アシスタントナース(英語力上級)
日本で正看護師の資格があっても、現地資格が必要な仕事です。4カ月~6カ月の講習を受けて資格を取得できます。そのあとは介護施設でアルバイトができます。介護の内容な食事の補助、アクティビティのサポート、排泄のサポートなど、老人ホームで行われる内容となります。専門コースを英語で受講しますので、英語初級の場合は、1年の語学留学が必須となります。
バリスタ(英語力中級・上級)
カフェでコーヒーを作るプロです。経験がないと雇われるは難しいので、経験がない人はバリスタコースを受講して、そこで実習経験を積みます。その実習の経験値は経験とみなされるので、履歴書を配ってバイト探しを行います。
バリスタコースを開催している英語学校もいくつかあり、英語コースとは別に5週間のバリスタコースをもっています。このバリスタコースは常に人気で何カ月もキャンセル待ちの学校もあります。ちなみにバリスタになるには中級以上の英語力が必要です。
英語初級は不可なので、まずは一般英語コースへ行き、そこで英語力を伸ばした後にバリスタコースへ以降していきます。英語初心者で6カ月くらいが目安です。
皿洗い(英語力初級・中級)
ワーキングホリデーの中では比較的英語力不問の場合が多く、一番ゲットしやすい職種かもしれません。飲食業では皿洗いは必須の仕事です。ディッシュウォッシャーがあるので全て手で洗う場所は少ないと思いますが、忙しい厨房の中で働きます。英語力はあまり必要ないですが、厨房の中のシェフや他の人たちの会話で、英語力も鍛えられますよ。
ペットシッター(英語力中級・上級)
オーストラリアの家庭は動物を買っている家が多いです。不在の間の犬の散歩や猫の世話を頼む仕事があります。犬の散歩だけの場合もありますし、長期で家主がホリデーにいく場合は家に住み込んで、動物の面倒をみる仕事もあります。
ハウスシッター(英語力中級)
家主が不在の間に、その家に住むお仕事です。掃除をしたり、植物に水をあげたりします。長期で家をあける際に、誰も住んでいないと防犯上よくないですし、家が広い人ほど誰かに着てもらって部屋の空気を入れ替えたりする必要があります。日本ではなじみのない仕事ですが、豪邸が多いオーストラリア、さらに何カ月もホリデーで不在にする国民性があるので、こうした仕事が存在します。
オーペア(英語力中級・上級)
子供の面倒をみるサービスです。親が仕事をしている間や、親が自宅にいたとしても、子供から目が離せないので、オーペアに着てもらって子供の相手をしてもらっている間に、家の掃除や、食事の支度などができます。自分の大事な子供を預けますから、親とコミュニケーションがとれる高い英語力が必要です。
ファーム(英語力初級・中級)
ワーキングホリデーの中でもセカンドワーキングホリデービザの取得を目指す方に人気なのがファームでのお仕事です。農業になりますが、仕事内容は農家さんによって様々です。トマト、バナナ、いちご、きゅうり、サツマイモなどの収穫物もありますし、工場で食肉加工のアルバイトもあります。
工場の仕事は天候や収穫時期に左右されないので安定した仕事ではあります。ただ、1日中工場の中でもくもくと作業をするので、あくまでもセカンドワーキングホリデービザをとるため、と割り切って仕事をするのがいいでしょう。
ツアーガイド(英語力中級・上級)
ケアンズ、ゴールドコーストなどのリゾートエリアに存在するお仕事です。ワーキングホリデーでもすることが出来ます。仕事内容は日本からきた団体さんのバスツアーのガイドをする仕事です。日本語にはなりますが、お客様たちはガイドさんをものすごく頼ってくるので、様々な問題処理やアレンジをする必要があります。バスドライバーはオーストラリア人なので、彼らとのコミュニケーションも必要です。そのためある程度の英語力が必須となります。
トリマー(英語力中級)
日本でトリマーとして働いたキャリアがある方は、オーストラリアで働くことも可能です。現地資格の取得は不要です。日本人は仕事が丁寧という定評があるので、ぜひ自分を売り込んでみてください。トリマーの仕事はネットで探してもいいですが、犬を連れて散歩している人たちはたくさんいるので、どこのお店でトリミングしているかを聞いてみるといいですよ。田舎よりも都会のほうが飼い主たちの美意識が高いのでトリマーの仕事は多いようです。
歯科衛生士(英語力中級・上級)
日本でキャリアがあれば現地資格は不要です。ですが、日本人歯科医の元でないと、ドクターの指示が聞き取れる十分な英語力や、機材などの専門用語を聞き取る必要があるので、それなりの英語力が必須となります。
仕事の探し方と求人情報
仕事の探し方はネット、直接お店に履歴書を持っていくなど、複数の方法があります。
インターネットで探す
日本語の便利ページがあります。売ります、買います、譲りますといったものから、仕事探しや家探しなどの募集まで、幅広い情報を掲載しています、日本人向けの日本語のサイトも多くあります。こういった情報サイトから申し込むのもいいでしょう。
仕事探しに便利な求人サイトをまとめました。
サイト名 | URL | 用途 |
Living in Cairns | ケアンズの求人やシェアハウスなどの情報 | |
cheers | ゴールドコーストの求人やシェアハウスなどの情報 | |
Jams.tv | シドニーの求人とシェアハウス情 | |
Gumtree | オーストラリア人も仕事探しに利用していローカルの生活情報サイトです。英語での求人検索です | |
オーストラリア掲示板 | 生活全般についての情報発信、求人検索 | |
Seek | オーストラリアで最も有名な求人サイトです。オーストラリア全土の英語での求人検索です。 |
ウォークイン(飛び込み)
ウォークイン(WALK IN)は、いわゆる直接お店に出向いて、いきなり履歴書を渡す方法です。実はこれが一番主流です。お店にスタッフ募集の張り紙が出ているわけですから、そこでアプローチするのが一番早い。そのためワーキングホリデーの人たちは常に履歴書をバックの中にいれて持ち歩いて、ばらまいています。
興味があれば、自分の携帯に電話がかかってくるか、メールで連絡がきます。どうしても働きたい場所であるなら、連絡がこなくても、どんどん自分でプッシュしてみましょう。
友人の紹介
ワーキングホリデービザの特徴は6カ月以上は同じ雇用主の下で仕事ができないことです。そのため、必ずどこかで誰かが離職します。次のアルバイトを探すのは雇用主からしたら面倒なので、多くの場合は現在働いている人の友達を紹介してもらいます。こうした人間関係から仕事がまわってくることが非常に多いのがオーストラリアの特徴です。できるだけ多くの人と付き合って、自分が仕事を探している旨をアピールすると良いかと思います。
求人の際のポイント
求人に応募する際はまずは履歴書を添付しますがもちろん英語で行ってください。また、履歴書には年齢と国籍、性別の記載はNGです。もしそれを記載したことで落とされると、差別問題となるためです。移民国家らしいルールだと思います。このあたりの文化は日本にはないものですよね。また、写真添付も不要です。
応募してから連絡がないからといって、諦める必要はありません。オーストラリアではこちらからどんどんアプローチして主張するのが普通です、
「履歴書を送ったけど、届いていますか?」
「返事がこないけど、メールが届いているか心配なので連絡しました」
という具合に、どんどん自分からアプローチしてください。
電話をかけても大丈夫です。電話で英語を話すのが不安だな、と思わずに、オーストラリアは電話社会です。どんどん電話して大丈夫です。
ワーホリの仕事別時給
仕事別の時給は以下を参考にしてください。
日本食レストラン | 21ドル |
ローカルレストラン | 28ドル |
介護施設 | 40ドル |
ファーム | 40ドル |
皿洗い | 25ドル |
ベッドメイキング | 30ドル |
ワーキングホリデーで稼げる収入
一日5時間x週5日 | 約20万円 |
一日5時間x平日3日、週末2日 | 約24万円 |
一日7時間x平日5日 | 約28万円 |
一日7時間x平日3、週末2日 | 約34万円 |
ワーキングホリデーで渡航した場合は、就労時間制限がありません。そのため最低賃金23ドルで仕事をした場合、例えば、1日6時間x週5で働くと月収は約24万円となります。
これは最低時給なので、1日の就労時間を多くしたり、ファームジョブで時給30ドルを超えるような場合は月収が45万円になることもあります。
仕事が見つからない、という方へアドバイス
履歴書は正しい書き方をしていますか?
まずは英文の履歴書は必須です。日本の履歴書のようなフォーマットはなくワードで作ります。写真不要、年齢、性別、国籍は記入しない。というルールがあります 。全ての学歴を書いても海外では全く分からないので、最終学歴だけで十分です。どちらかというと、アピールをしっかりと書いてください。
カフェなどはいきなり入っていって履歴書だけ置いてくるよりも、まずはお客さんとして入店し、そこのメニューをしっかりとオーダーしたうえ、
「美味しかった。ぜひここで働きたい」
と、一言添えるだけでも好印象です。
履歴書を数枚渡しただけで「仕事がない」という人が多いです。本気で探している人は、100枚という単位で履歴書を配っています。そして、仕事内容を選ばないこと。まずはなんでもやってみて下さい。
履歴書を渡したから終わり、ではありません。あなたのような人は1日に何十人も来ます。マネージャーは忙しいですから、履歴書をもらって放置していることも多い。連絡がなければ自分からどんどん連絡して下さい。メールがダメなら電話してみる。これは鉄則です。
仕事探しに必要な英語力
ワーホリで渡航して、すぐにアルバイトを見つけようとしても、正直なところ難しいです。出川イングリッシュのような、英語が全くできない人が「行けばなんとかなる」というのは、少々雑な考えのような気がします。
雇い主から連絡がくるのも、面接の日程調整も、仕事を習うのも、全て英語です。
そのため、英語初級の場合は必ず語学学校で基礎力をつけてください。そのために、ワーホリビザには4カ月という就学期間がついています。