留学カウンセラー 桜井彰子
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オーストラリアの仕事・アルバイト事情
オーストラリアでのお仕事をする際には、学生ビザかワーキングホリデービザのどちらかが必要となります。観光ビザでは仕事はできません。
学生ビザ、しかも語学留学でもアルバイトをすることが出来るという点がオーストラリアが留学先として人気の最大の理由のひとつと言えるでしょう。
学生ビザ・ワーキングホリデービザ問わず、全体的にはサービス業などのお仕事に就く方が多いようです。
ワーキングホリデービザの方には、農場でのお仕事も人気です。
もちろん全く働かずに帰国する方もいますが、せっかく働ける権利を持っているのですから、貯金に余裕があっても経験として一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。
英語で履歴書を書くことも必要となるので、アルバイトを探す過程も良い勉強になると思います。
学生ビザで就労する場合
学生ビザの就労条件
- 2週間で48時間
- 一つの雇用主の元にずっといられる
学生ビザで就労する場合は、就労時間の制限があります。
それでも1日4時間として週に5日以上働く事ができますので、学生ビザでフルタイムの授業を受けながら働くには十分な時間数です。
働き方は様々です。平日の放課後だけにアルバイトをしたり、土日にまとめてフルタイムで働いたり、お店の方と相談をしてシフトを決めることになります。
ワーキングホリデービザで就労する場合
ワーキングホリデービザの就労条件
- 時間制限なし
- 1つの雇用主の元には最大6か月までとなります。
ワーキングホリデービザで就労する場合は、同一雇用主の元で6ヶ月までしか働けないという制限があります。
しかし、週当たりの就労時間数には制限がなく、毎日フルタイムでお仕事をすることが出来ます。
ワーキングホリデービザの場合は、基本的に1年間お金をためながら旅をするという体験重視型のビザです。そのため、ずっと同じ雇用者の元にはいてはいけない仕組みになっています。
一方、学生ビザは最低でも4か月~1年間の語学留学となり、一つの街に腰を据えて滞在するビザです。ワーキングホリデーのようにホリデーを目的としたビザではありません。そのため、じっくりとその町に腰を落ち着ける人たちなので、ずっと同じ場所で仕事ができます。
オーストラリアの仕事の種類、人気のお仕事は?
オーストラリアでの仕事は主にホスピタリティと呼ばれる仕事がメインです。やはりカフェが一番人気ですが、求人も多く人気の職種は以下のようなものとなります。
- レストランやカフェでのウェイトレス
- キッチンハンドと呼ばれるキッチンのお仕事
- ホテルでのベッドメイキング
- ホテルのレセプションなど接客業務
- マッサージ
一部英語力が必要なものもあります。
日本で同業種のお仕事キャリアがあれば、以下のお仕事をワーホリでもできます。
- 企業のオフィスワーク
- 美容師
- トリマー
- 歯科衛生士
- バリスタ
バリスタは花形ですが、技術よりも英語力が大事、という現場の声が多いです。
カフェやレストランなど、いわゆる「ローカル」と呼ばれているお店は、働く人もオーナーもお客様も全員ネイティブだったりすることが多く、特におすすめは都市部ではなく、ちょっと離れた郊外だと常連さんしかこなかったりするので、なおさら仲良くなり、おしゃべりに花が咲きます。
オーナーもお客さんも優しかった!という人は郊外の自分のシェアハウスの近所で働いている人が多く、こういうタイプの仕事をゲットすると、コロコロ変えずにずっとその場にいる人が多いです。
オーストラリアでも働く地域によっては、求人数が大きく異なります。
シドニーやメルボルンなどの都市部では求人数は比較的多くありますが、ケアンズやバイロン・ベイ、ゴールドコーストなどの地域では、求人数は少なくなります。
ですが、もともと人口が少ないため、仕事の争奪戦になることがないのも、実はこういったエリア。そして、ビーチエリアは都市部と違って物価が安いので、同じ時給でも貯金が増えやすいのはビーチエリアです。
また、英語力、日本でのアルバイト経験によってお仕事につける差はあります。
よく日系情報誌/掲示板などで募集がある仕事には以下の様なものがあります。
日本食レストランのホールスタッフ
お客様をテーブルまで誘導したり、注文をとり、注文内容をキッチンに伝えたり、出来上がった料理をテーブルへ運んだりする接客のお仕事です。日本食レストラン=スタッフが全員日本人、といったイメージがありますが、韓国人や台湾人など様々な国籍のスタッフが働いているケースが多く、日本人は自分ひとり、という場合も多いです。また、日本食はオーストラリアで非常に人気があるので、お客様はほとんどがローカルの人たちです。そのため、ホールスタッフは必ず英語を使います。
ローカルレストランやカフェのホールスタッフ
仕事内容は日本食レストランのホールスタッフと変わらず、お客様をテーブルまで誘導したり、注文をとり、注文内容をキッチンに伝えたり、出来上がった料理をテーブルへ運んだりする接客のお仕事です。
ローカルレストランは、オーナーや働いているスタッフがオーストラリア人の方がほとんどなので、高い英語力が求められます。
また、日本食レストランよりも時給が高い傾向があります。
キッチンハンド
日本であまり聞き馴染みのない言葉ですが、キッチンハンドとはキッチンスタッフのことを指します。主なお仕事は、皿洗いや調理手伝い(食材を切ったり、下準備)です。
接客ではないため、高い英語力は必要なく、英語初級の方が始めやすいお仕事です。
農場(ファーム)での仕事
ワーキングホリデーの方は、政府指定の農場で一定期間お仕事をすると2年目の滞在が認められるセカンドビザが可能です。
農場でのお仕事は野菜や果物の収穫や仕分け、箱詰め作業をします。
収穫物によっては体力が必要なものもありますが、慣れてくると皆さん楽しくお仕事をされています。
決められた作業がほとんどなので、高い英語力は求められませんが時給は比較的高いです。
ベビーシッター
子どもと関わる仕事がしたい場合はオーペアやデミペアといったベビーシッターのような子どものお世話をする仕事があります。
オーペアとデミペアは、家政婦とベビーシッターを合わせたお仕事です。基本的には住み込みのことが多く、家賃と食費を無料で提供してもらう変わりに洗濯や掃除、食事の準備や子どもの幼稚園の送り迎えや親が不在の間の子守りなどのお世話を行います。
給与に関しては家庭毎に異なりますが、家賃と食費が無料なので給与が出ない場合や給与が出る場合でも時給はあまり高くないです。
食品工場での仕事
農場(ファーム)のお仕事は野菜や果物を扱う仕事がほとんどですが、食品を扱う工場での仕事もあります。
加工するための機械に入れたり、パックに詰めたり、出荷するための段ボールに入れたりする作業をします。
接客ではないので、高い英語力は求められませんが時給が比較的良いです。ただ、農場と同じく工場は都心部から離れた場所に位置していることがほとんどです。セカンドワーキングホリデービザの対象になっている場合が多く、最低就労期間のしばりがある場合もあるので、必ず就労前に確認してください。
清掃
南米の留学生に特に人気があるのが、ホテルでベッドメイクやシーツの交換など客室の清掃を行うハウスキーピングです。ホテル以外にもオフィスの廊下、トイレなどの共用スペースの清掃もします。人によっては、このクリーニングバイトをいくつも掛け持っている学生も多いです。
清掃のお仕事はあまり英語を話す機会がないというイメージがあり、日本人留学生には人気がありませんが、オーナーさんや同僚とは英語で会話をしますし、ホテルの場合は滞在中のお客様と話す機会が多くあります。ただ、そこまで高い英語力は求められないので英語力初級の方であっても比較的始めやすいお仕事です。何よりも時給が高いので安定収入が得られます。
アルバイトの時給につきましては、こちらのコンテンツで詳細を書いています。
上に挙げたものほど求人数は多くありませんが、日系旅行会社のオフィススタッフや宿泊施設の管理スタッフ、食材の運搬スタッフ(車の運転)など、色んなお仕事があります。
日本で長いキャリアのある方の場合、その経験を活かしてオーストラリアでも同じお仕事をしたい!と思われる方も沢山いらっしゃることと思います。
しかし、何をするにもまずは英語力が必要となりますので、
最初はあまり職種にこだわり過ぎず、色んなお仕事に挑戦してみてください。
ファームジョブ・農場のお仕事
ホスピタリティの仕事以外にもファームジョブ・農場のお仕事をされる方もいらっしゃいます。
オーストラリアでは、ワーキングホリデービザの方は政府指定の地域で3ヶ月以上の季節労働をすることにより、2年目も滞在できるセカンドワーキングホリデービザが取得可能となっています。そのため、農場で働く人が増えています。
(季節労働とは、農業、林業、漁業等の一次産業、またはある季節に限られた労働をさします。)
ファームには、無給の場合と有給の場合があります。
住むところや食事を提供してもらえる代わりに無給のボランティアで働く場合と、有給の場合があります。有給の場合の生活費は家賃を含め自己負担です。
有給はファームを斡旋してくれるバックパッカーに泊り、そこから仕事先へ派遣されます。滞在しているバックパッカー滞在費は実費です。
無給の農場の場合、セカンドビザ申請対象にはなりませんのでご注意ください。
農場地帯に行くと、仕事紹介所があるような地域もあり、
仕事を斡旋しているバックパッカーに宿泊して仕事がもらえるのを待つという方法もあります。
仕事内容は作物の収穫、箱詰め、枝切、農薬を撒く等様々です。
セカンドビザ目的でない場合も、経験として一度やってみると、
日本ではできない経験が出来て楽しいかもしれません。
ファームの求人情報は以下のURLを参考にして下さい。
- http://www.wwoof.com.au
- http://jobsearch.gov.au (Harvest Trail)
アルバイトの時給
オーストラリアの最低賃金
アルバイトの時給は、平均的に日本よりもオーストラリアの方が良い傾向にあります。
オーストラリアの最低賃金は
- 時給A$23(約2230円)
- フルタイム(週38時間)A$882.74(約84,743円)
時給は年々上がる傾向にあります。(1ドル=96円で換算)
※最低賃金は業種などによって異なります。
また、アルバイトの時給は、平均的に日本よりもオーストラリアの方が良い傾向にあります。
こちらも働くエリアやオーナーによって時給は異なりますが、大体の金額は以下のようになっています。
- アジア系の飲食店 $12~$18
- ローカルの飲食店 $16~$20
- 農場 時給制の場合 $16~$24
歩合制の場合 慣れるまではあまり稼げないようですが、仕事を覚えて効率良く働けるようになってくると時給制の賃金を越えることもあるようです。
- 工場作業員 $22~$27
食肉工場や鮮魚・農作物を扱う工場など、工場の種類は様々です。
基本的にウェイトレス等のお仕事よりも工場系のお仕事の方が時給は良いようです。
- ベビーシッター $10~$20
時給$10で雇っているところもあれば$20程度出しているところもあるようです。
これは雇い主の家庭と、有資格者かどうかや経験があるかどうかに左右されます。
仕事を探す前の準備
お仕事を探す前の準備として用意するものが以下となります
- 履歴書
- TFN(タックスファイルナンバー)
- 銀行口座
- RSA(アルコールを提供する仕事をする場合に必要)
それぞれについて説明します。
履歴書
日本で仕事を探す時と同様にオーストラリアでも履歴書(レジュメ)が必要です。
日本の履歴書と違い、写真を貼る必要はないので写真は用意する必要はありません。
英文履歴書サンプル
https://activewoman.jp/resumesam.doc
英文履歴書ひな形ダウンロード
https://activewoman.jp/resumeform.doc
TNF(タックスファイルナンバー)
タックスファイルナンバー(TFN:Tax File Number)といって、オーストラリア税務局が発行する納税者番号を取得しておく必要があります。
銀行口座の開設
お給料を受け取るために銀行口座の開設も事前にしておく必要があります。
アルバイト先の多くはお給料を銀行振り込みで支給しているため、仕事を始める前に用意しておきましょう。
RSA(アルコール提供に必要な資格)
RSA(Responsible Service of Alcohol)とは、アルコールを提供する場所で働く際に必要な資格です。
オーストラリアでは、飲食店などでアルコールを提供する場合は資格が必要となります。
飲食店などで働きたい方はRSAを取得しておくと良いでしょう。
RSAの資格取得のためには、コースを受けテストに合格する必要があります。
オーストラリアの仕事・アルバイトの探し方
仕事探しは、インターネットが主流ですが、掲示板や、店舗に直接、求人募集されている場合もあるので、常にアンテナを貼って確認しておくと良いです。
まずは、便利な求人サイトをご紹介します。
オーストラリアの便利な求人サイト
日豪プレス(NICHIGO ORESS)
日豪プレスは、日系情報ページで代表的な生活総合情報サイトです。
オーストラリアで生活する日本人にとって、生活に欠かせない情報が満載です。
求人情報は各都市ごとに掲載されており、検索条件も細かく設定でき、必要英語力別にも抽出できるため非常に便利です。日本語での求人検索です
JAMS.TV
JAMS.TVも、人気のオーストラリア生活情報サイトです。求人情報もしっかり掲載されており、キーワード、エリア別、職種、英語力など、検索条件も細かく探しやすく設計されています。日本語での求人検索です。
チアーズ(Cheers)
シドニーを中心とした情報を発信しているサイトです。求人情報はシドニーだけでなく近隣・主要都市の情報も掲載されています。
まかない付きや送迎ありなどの絞り込みもできます。日本語での求人検索です。
DENGON NET
メルボルンを中心とした情報を発信しているサイトです。求人数はそれほど多くありませんが、最新の情報が常に掲載されています。日本語での求人検索です。
https://www.dengonnet.net/melbourne/classifieds
GO豪メルボルン
こちらも、メルボルンを中心とした地元密着型生活情報サイトです。日本語での求人検索です。
https://www.gogomelbourne.com.au/classifieds/employ/
Go!豪!! アデレード
アデレードを中心とした地元密着型生活情報サイトです。
https://www.gogoadelaide.com.au/classified/employment/
Gumtree(ガムツリー)
オーストラリア人も仕事探しに利用していローカルの生活情報サイトです。英語での求人検索です。
Backpacker Jobs
オーストラリアのワーホリメーカーのための求人サイトです。英語での求人検索です。
https://www.backpackerjobboard.com.au/
オーストラリア掲示板
オーストラリアの生活全般について発信している掲示板です。求人情報もしっかり掲載されています。日本語での求人検索です。
https://kaigai-bbs.com/aus/thread/job/
Seek
オーストラリアで最も有名な求人サイトです。
オーストラリア全土の仕事が探すことができ、求人数も非常に多くあります。英語での求人検索です。
急いで仕事を探している時やメールを送ってもなかなか返事がこない時、どうしてもここで働きたいと思うお店を見つけた時等は、履歴書を持って直接お店に行き、マネージャーとお話させてくださいと頼むのが一番面接に繋がる方法だと思います。
探し方1.履歴書を直接配る
直接お店に出向き、仕事を探していることをお話しして履歴書を手渡しする方法です。
オーストラリアでのお仕事探しはおそらくお店ならば飛び込みが一番多いと思います。
お店にたいてい張り紙がしてありますから、「仕事探してるんですけど」と、直接お店の人に話かけて大丈夫です。
日本ではあまり実践しない方法ですが、オーストラリアで仕事を探すには、この方法が一番有効です。
最初は緊張するかもしれませんが、英語で知らない人に話しかけるということはいい経験になりますので、是非挑戦してみてください。
そして、ただ履歴書を置いて帰るだけでは、お仕事につながりません。
その場で、面接の約束を取り付けるか、責任者の方がいなかった場合にはまた別の機会に足を運ぶ等、少ししつこくチャレンジしてみてください。
探し方2.友人の紹介
そして、意外と多いのは「紹介」です。職種にこだわらない場合、この方法が一番雇って貰える確率の高い方法です。
留学生はビザの期限があるので必ず退職して帰国します。特にワーキングホリデーはそのサイクルが早く、あまり一つの場所に長居しません。
辞めるときは、オーナーさんから「誰か次の子を見つけてきて」と頼まれることが多いので、実は条件の良い仕事は意外と掲示板などに上がってくる前に埋まってしまうことも多いです。
特に面接することなく採用となるケースもあります。
誰かの紹介でしか雇っていないようなお店もありますので、既に働いている友人に頼るのも1つの方法ですね。
現地の仕事に必要な英語力
お仕事探しは到着していきなりは難しいと思います。まずは語学学校で最低限の聞き取りができるレベルや、オーストラリアに慣れた頃に探すと良いと思います。
また英語初心者の場合はいきなり接客は難しいので、まずは日本食レストランのキッチンから始めると安心かと思います。日本食レストランと言っても、お客様は外国人が大半を占めているので、ホールで接客するには英語力が必須です。
だんだんと生活をしていくうちに、英語力がついてきて、「ローカル」と呼ばれるオーストラリア人経営のカフェなどへ仕事を変えていく人が多いです。