留学カウンセラー 桜井彰子
世界でグローバル化が進むにつれて、さまざまな方との交流が増え、国際的な変化に柔軟に対応できる方が日本社会でも求められるようになってきました。
そのため、日本の大学ではなく、オーストラリアに留学を検討している方も多いです。
今回は、オーストラリアと日本の大学との違いやできること、認定留学制度・正規留学・交換留学などを紹介します。
オーストラリアの留学制度について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
オーストラリアと日本の大学との違いやできること3つ
オーストラリアと日本の大学との違いは主に3つあり、内容が大きく異なります。
1.学習や生活環境
オーストラリアと日本の大学の学習や生活環境には、いくつかの顕著な違いがあります。
まずオーストラリアの大学では、自由な学習環境が提供されています。
学生は自分の興味や専門分野に基づいてコースを選択し、自由に学習計画を立てることが可能な場合が多いです。
一方、日本の大学では、学生は入学時に専攻を選び、その専攻に基づいたカリキュラムを追うことが一般的です。
また生活環境についても違いがあります。
オーストラリアの大学はキャンパスが広大で、学生寮や食堂、図書館、スポーツ施設などが一体となったキャンパスでさまざまな国の方とのコミュニケーションを楽しめます。
日本の大学では、都市部の大学が多いため、キャンパスは比較的小さく、学生はキャンパス外のアパートで生活することが一般的です。
上記の違いは、学生の学習スタイルや生活スタイルに大きな影響を与え、それぞれの国の文化や教育観が反映されています。
2.教育制度
オーストラリアと日本の大学の教育制度にも違いがあります。
オーストラリアの大学では、通常就学期間が3年間となっています。
一方、日本の大学は、就学期間が4年間でオーストラリアより1年間長いです。
3.授業内容
オーストラリアと日本の大学の授業内容には、教育のアプローチや教材の使用方法、授業の進行形式など、いくつかの違いがあります。
オーストラリアの大学では、一般的に学生中心の教育が行われます。
授業はディスカッションやプレゼンテーション、グループワークなど、学生が積極的に参加する形式が多いです。
また大量の課題が出されるため、授業時間が短く、自習時間が長い傾向にあります。
一方、日本の大学では、伝統的に講義形式の授業が主流です。
教授が一方的に知識を伝える形式が多く、学生は主にノートを取りながら聞くことが求められます。
しかし、近年ではアクティブラーニングが推奨され、ディスカッションやグループワークを取り入れた授業も増えてきています。
オーストラリアの学生中心の教育は、自己表現や批判的思考を促し、日本の講義形式の授業は、基礎知識の習得に重きを置いています。
日本の大学からオーストラリアに留学できる認定留学制度について
日本の大学からオーストラリアに留学する際には、認定留学制度を利用する方が多いです。
では、認定留学制度について詳細に解説します。
認定留学制度では休学せずに単位取得できる
認定留学制度は、日本の大学生が海外の大学で学びながら、自国の大学の単位を取得できる制度です。
認定留学制度では、海外の大学で取得した単位を日本の大学の単位として取得することを認めています。
そのため、認定留学制度を利用すると、学生は休学することなく、海外での学習経験を自国の大学の学習プログラムに組み込めます。
認定留学制度を利用するメリット
認定留学制度を利用するメリットはいくつかあります。
まず海外での学習経験を通じて、新たな視点や知識を得られます。
自国だけでなく、グローバルな視野を持つことが求められる現代社会において、価値のある経験となります。
また留学先の大学で取得した単位が自国の大学でも認められるため、留学によって学業が遅れるというリスクを軽減できます。
そのため、学生は留学と学業進行を両立させることが可能です。
さらに留学を通じて得た国際的な経験やスキルは、将来の就職活動においても大きなアドバンテージとなります。
多くの企業は、異文化理解能力や語学力、グローバルな視野を持つ人材を求めており、留学経験で得たスキルを身につける良い機会となります。
認定留学制度の条件について
認定留学制度を利用するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず留学先で取得した単位が日本の大学で認められるための基本的な条件として、自身の在籍している日本の大学と留学先のオーストラリアの大学が協定を結んでいることが必要です。
次に、留学先の大学での学習に適応できる能力があることを示すために、学生は一定の学業成績を持っていることが求められます。
また、語学力も重要な条件となります。
留学先の授業は英語で行われるため、一定レベルの英語力(通常はTOEFLやIELTSのスコアにより証明)が求められます。
留学期間中の生活費や学費を賄うための経済的な能力も必要です。
奨学金や自己負担、親族からの援助など、留学費用の確保方法はさまざまですが、留学ビザを取得するためには、費用の支払いを証明する必要があります。
上記の条件を満たすと、日本の大学生は認定留学制度を通じてオーストラリアの大学で学べます。
認定留学の費用の目安
認定留学の費用は、留学先の大学や国、生活費、航空券の価格などにより大きく変動しますが、一般的な目安をいくつか示します。
まず学費についてですが、オーストラリアの大学の学費は年間約A$15,000(約120万円)からA$30,000(約240万円)程度が一般的です。
ただし、専攻や大学により異なるため、具体的な金額は各大学のウェブサイトで確認することをおすすめします。
次に、生活費(食費、交通費、宿泊費、医療費などを含む)について、オーストラリアの生活費は都市により異なりますが、月額A$1,500(約120,000円)からA$2,000(約160,000円)程度が必要です。
また航空券の費用も考慮する必要があります。
日本からオーストラリアまでの往復航空券は、時期や航空会社によりますが、大体6万円から20万円程度が目安となります。
上記の費用を合計すると、1年間の認定留学の費用は約200万円から400万円程度となります。
目安になりますが、具体的な費用は留学先や生活スタイルにより異なるため、詳細な計画を立てる際には各種情報を確認しておいてください。
その他の方法で日本から留学方法
認定留学制度以外の正規留学・交換留学について解説します。
正規留学
正規留学は、日本の高校を卒業してオーストラリアの大学に入学し、そのままオーストラリアの大学に卒業するまで留学する方法です。
正規留学の場合、高校を卒業した後に進学準備期間に1年間の専用コースを受講するケースもあります。
正規留学で留学する学生は留学先の大学の全ての授業や活動に参加でき、大学の学生として学びます。
また海外の大学で学位を取得すると、その国での就職や進学の機会も広がります。
しかし、正規留学は費用が高く、また、留学先の大学の入学試験を受ける必要があるため、準備には時間と労力が必要です。
交換留学
交換留学は、日本の大学と海外の大学が協定を結び、一定期間(通常は1年間)学生を交換する形式の留学方法です。
交換留学では、学生は留学先の大学で学びながら、自国の大学の単位を取得できます。
交換留学のメリットは、留学費用が比較的安く抑えられることと、自国の大学の単位を取得しながら留学できるため、学業の遅れを防げることです。
しかし、交換留学は、日本の大学と留学先の大学が協定を結んでいる必要があることと、一定の学業成績や語学力が求められるため、成績・英語力を高めておくことが必要です。
認定留学を行う際の注意点3つ
認定留学を行う際には、以下の条件をよく確認しておく必要があります。
1.認定留学の条件を確認する必要がある
認定留学を行う際には、まず留学先の大学と自身の在籍大学が協定を結んでいるかを確認する必要があります。
留学先で取得した単位が自国の大学でも認められるための基本的な条件です。
また、一定の学業成績や語学力が必要とされることもあります。
詳細な条件は大学や専攻により異なるため、具体的な要件は各大学のウェブサイトや留学課で確認しておきましょう。
2.大学によって学費が異なる
認定留学を行う際には、留学先の大学によって学費が大きく異なることを理解しておくことが重要です。
一部の大学では、協定に基づき、在籍大学の学費のみで留学が可能な場合もありますが、多くの場合、留学先の大学の学費を支払う必要があります。
学費は、専攻や大学により異なるため、具体的な金額は各大学のウェブサイトで確認することをおすすめします。
3.英語力が必要な場合がある
認定留学を行う際には、留学先の授業が英語で行われることが多いため、一定レベルの英語力が求められます。
授業の理解はもちろん、日常生活やコミュニケーションにも英語力が必要です。
基本的に必要とされる英語力は、TOEFLやIELTSなどの英語能力テストのスコアが基準となります。
テストは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのスキルを評価し、留学生の英語力を証明するものとなります。
一般的には、TOEFLで80点以上、IELTSで6.0以上が求められることが多いですが、大学や専攻により異なるため、具体的な要件は各大学のウェブサイトや留学課で確認することが必要です。
英語力が不足している場合は、留学前に英語の勉強をしておきましょう。
留学先の大学によっては、英語力を向上させるためのプログラムを提供している場合もあるため、利用することも検討しましょう。