
リメディアルマッサージはオーストラリアでは健康保険が適用される手技療法です。
全身の筋膜や深部筋、関節をつなぐ筋肉などの筋肉疲労の度合いから治療プランを作り、9つのマッサージ手法を使って治療にあたります。
日本にある整体師学校よりも高度で、かつ実践的なカリキュラムになっています。
リメディアルマッサージで行われるマッサージ手法についてご紹介していきます。
リメディアルマッサージで行われるマッサージ手法
リメディアルマッサージとはイギリスで誕生したマッサージ手法です。現在、オーストラリアでは健康保険が適用される手技療法となっています。
例えば、腰痛を治療する場合、日本の場合は骨格の歪みを調整したり、揉みほぐすのが中心です。
リメディアルマッサージでは全身の筋膜や深部筋、関節をつなぐ筋肉などの筋肉疲労の度合いから治療プランを作り、9つのマッサージ手法を使って治療にあたります。
そのため治療レベルは、日本のゴットハンド手技といわれるものと5つ以上を使いこなすレベルとも言われています。そのため修得するためには、解剖学や生理学、運動学などといったボディメカニクスの把握や患者管理もマスターする必要があるため、日本にある整体師学校よりも高度で、かつ実践的なカリキュラムになっています。
それではリメディアルマッサージで行われるマッサージ手法についてご紹介していきます。
1.スクリーニング

ここでは体のバランスをチェックしていきます。リメディアルマッサージでは「痛みは体の歪みから」という考えの元、痛みを引き起こしている原因を探していきます。
2.骨盤調整法
スクリーニングで歪みやズレの部分をチェックした後に骨盤を本来あるべき状態に戻していきます。
この歪みやズレを調整することで、血流やリンパの流れ、自律神経などが驚くほど短期間で症状が改善されていきます。
骨盤を調整した後は、患者さんの状態や症状により次の7つの手技を用いて完治に向けた治療を行っていきます。
3.クリニカルアセスメント
ここでは患者さんの痛みの原因をより深いレベルで確認してきます。
このアセスメントによりリメディアルマッサージによる治療が効果的なのかどうかを見極めます。
リメディアルマッサージは代替療法です。主訴の状態によっては医師に任せた方がいい場合もあります。
ここではリメディアルマッサージで治療が出来る部分と難しい部分を見極めていきます。
4.トリガーポイント療法

痛みの原因、つまり痛みのトリガー(引き金)となっている患部を探し当て治療する療法です。
具体的案治療法としては、後述するソフトディシュ-マニュピレーション、ディシュ-マニュピレーション、筋膜リリース療法、関節モビリゼーション、マッスルエナジーテクニックを用います。
一般的な日本のマッサージでは、このポイントを探し当てることなく、患者さんの問診だけで治療を進めることがあります。オーストラリアで学ぶリメディアルマッサージでは、トリガーポイント療法で痛みの根本を特定してきます。
5.ソフトティシューマニピュレーション
足の裏にもコリがあります
マニピュレーションでは、凝り固まった筋肉を弛緩し、血流やリンパの流れ、関節の動きを本来の状態にもどします。
ソフトティシューマニピュレーションでは表層にそれらの部分をほぐしていきます。これにより患者さんの緊張を取り除き、より深い部分にある筋肉、リンパ節、神経、関節の施術ができる状態にします。
6.ディープソフトティシューマニピュレーション

ソフトディシュ-マニュピレーションにより緊張していた筋肉がほぐされた後は、オイルを使って深部筋やリンパ節、骨格へのトリートメントを行います。
この施術と同時に「筋膜リリース療法」も併用して治療を行います。筋肉はいくつのも筋繊維が重なっています。それをオイルと筋膜リリース療法を用いて、1つ1つ丁寧に筋肉の緊張を取り除いていきます。
7.筋膜リリース療法

筋膜とは筋肉の表面を覆っている筋繊維です。この筋膜が縮むから筋肉が緊張して痛みになります。
体は痛みに対し、それを感じないように楽な姿勢をとっていきます。これにより本来あるべき骨盤や骨の位置がズレ、慢性的な痛みや最悪の場合、体を動かすのがキツイぐらいの痛みに発展します。
ある意味、痛みの根本原因となる筋膜を本来の状態に戻し、かつより柔軟に動かすことができるようにするトリートメントがこの筋膜リリースです。
慢性的な肩こりや腰痛、膝の痛み、首の痛みなどあらゆる痛みやコリに効果的な療法です。
日本でもいくつかの整体師がと入れたり、オステオパシーでも実施される効果が出て、患者さんからの満足感も高い療法です。
8.マッスルエナジーテクニック
分かりやすい例では、整体院などで行われる手技に似ています。
日本の整体院では、身体全体を使ってコリや可動域を上げていきますが、ここでは患者さんがもつ各部位の筋力を使いながら可動域を上げていきます。
例えば首の可動域を上げる場合、このマッスルエナジーテクニックでは左手で患者さんの頭を右に倒すと同時に、右手で患者さんの肩や鎖骨付近を動かないように固定します。
これにより右肩側の筋肉が収縮します。収縮後は神経反射が起こり首の右側にある筋肉がほぐされていきます。
日本の整体との違いは、右手で固定する点です。固定しないばあい、身体の各部位に小さな収縮が起きるので、身体全体に効果がでます。
身体の各部位にある筋肉をパーツごとにほぐしていくため、解剖学や運動生理学などで筋肉を仕組みについて理解を深めることで、短い治療時間で患者さんの痛みをとる治療ができるようになります。
9.関節モビリゼーション

日本の一般的な整体では揉む、骨をバキバキさせるなど、痛みや恐怖をともなう治療が主流となっています。
この関節モビリゼーションではスクリーニングやクリティカルアセスメントで判明した関節まわりの筋肉のコリや痛みを解消していきます。
この治療を行うことで、関節周りの筋肉や筋をほぐし、曲げ伸ばし、内転・外転、内旋・外旋のそれぞれで可動領域を上げるために行う治療法です。
日本ではカイロプラクティックやPNF、アメリカではオステオパシーなどの治療が該当します。
例えば右肩の肩こりを取る場合、左手で患者さんの右肩を固定し、右手で患者さんの腕も持ち、回せる範囲で腕を優しく回していきます。
その結果、肩こりを発生している部分の筋肉が弛緩して、コリや痛みが取れていきます。
以上が、リメディアルマッサージで行う治療です。
この治療法は、日本の整体のように歪みに着目するのではなく筋肉にフォーカスして治療を行っていきます。
全身の筋肉や筋膜の構造や仕組みを深く学び、患者さんの筋肉を使って骨格を整えていくやり方です。そのため、揉む、押すなど術者の力を使って治療ではなないため、力に自信がない女性でも患者さんの痛みをとり、満足度の高い治療を提供することがでます。
取得に至っては座学や演習を行うのはもちろんのこと、実際の患者さんで学んだことを実践していくため、卒業後すぐにオーストラリア国内のサロンやホテルにあるスパやサロン、日本国内のサロンで即戦力として活躍することが可能です。