オーストラリア英語とアメリカ英語の違いは?なまりが特徴!

実は、英語は一種類だけではなく、アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語などの種類があり、それぞれ発音やスペリング、アクセントなどが異なります。

オーストラリア英語は、オージーイングリッシュと呼ばれており、日本人にとってはアメリカ英語より発音しやすいことが特徴です。

今回は、オーストラリア英語の特徴や発音、なまり、歴史、背景、よく使う挨拶などを詳しく解説します。

オーストラリア英語の特徴を5つ解説!

オーストラリア英語・アメリカ英語
オーストラリア英語・アメリカ英語

オーストラリア英語は、イギリス英語が元となって独自の発音が使われるようになった言語です。アメリカ英語との違いを踏まえながらオーストラリア英語の特徴を解説します。

1.A(ei)とI(i)の発音が「アイ(ai)」に

アメリカ英語では、「A」を「エイ(ei)」と発音しますが、オーストラリア英語の場合は、「アイ(ai)」となります。

また「I」をアメリカ英語で「イ(i)」も、オーストラリア英語の場合は「アイ(ai)」と発音します。

AとIを「アイ(ai)」と発音するのは、オーストラリア英語のみで、アメリカ英語とイギリス英語と異なる特徴を持っています。

Aの発音の例
・「Today」:トゥデイ(アメリカ英語)→トゥダイ(オーストラリア英語)

Iの発音の例
・「Wine」:ワイン(アメリカ英語)→ワアイン(オーストラリア英語)

2.Rの発音で舌を巻かない

オーストラリア英語のRの発音は、イギリス英語と同じように舌を巻かないことが特徴です。そのため、舌を巻く発音を苦手とする方が多い日本人にとっては、発音しやすいです。

アメリカ英語では、Rの部分を発音します。しかし、オーストラリア英語では「R」を発音しません。

Rの発音の例
・「water」:ウァーラァー(アメリカ英語)→ウォーター(オーストラリア英語)
・「fire」:ファイヤー(アメリカ英語)→ファイア(オーストラリア英語)

このように舌を伸ばしたまま発音することが特徴です。

3.canは「カン」と発音する

アメリカ英語では、canは「キャ」と発音します。しかし、オーストラリア英語では、canは「カン」と発音します。

このあたりは完全にイギリス英語です。日本人にはとても発音しやすいと思います。

4.G・K・Tは聞き取れないため注意

オーストラリア英語では、語尾にG・K・Tがつくと発音しません。そのため、聞き取れないため、発音が似た単語を認識する際には注意が必要です。

・「?ing」:イング(アメリカ英語)→イン(オーストラリア英語)
・「?ight」:イト(アメリカ英語)→アイ(オーストラリア英語)

このように最後の発音部分が消えます。

また先ほど紹介した「can」は、「can’t」との聞き分けが難しい言葉です。

・「can」:カン
・「can’t」:カーン

どちらもわずかな違いのため、最初は判断できない可能性もありますが
英語が上達するにつれ、文脈などからも簡単に判断できるようになります。

5.単語のつづりが変わりアクセントや発音も異なる

オーストラリア英語は、単語のつづりがイギリス式です。

例えば、

・ BBQ(バーベキュー)→barbie:「バーベキュー」→「バービー」
・center(中心)→centre:「センター」→「センタ」
・mosquito(蚊)→mossie:「モスキート」→「モージー」

このように語尾のつづりが変わり、アクセントや発音も異なってくるのが特徴です。

オーストラリア英語の中には、単語のつづり・アクセント・発音すべてがアメリカ英語と異なる言葉がいくつか見られます。

オーストラリア英語とアメリカ英語の違いは?

オーストラリア英語・アメリカ英語
オーストラリア英語・アメリカ英語

オーストラリア英語とアメリカ英語の違いを知ると驚くかもしれませんよ。

オーストラリア英語とアメリカ英語の違いは、オーストラリア英語の歴史・背景まで見れば、理解しやすいです。

オーストラリア英語の歴史・背景

オーストラリア英語の歴史は、スコットランド人であるキャプテン・クックが植民地化のために、1770年にシドニーへ上陸し、入植したときから始まります。

入植者のイギリス人は、アイルランド・イングランド・ウエールズ・スコットランドなどの人々が多く入植し、オーストラリアではイギリス英語が根付いたとされます。

その後、イギリス英語とオーストラリアの先住民族である「アボリジニ」の言葉が影響し、派生したのがオーストラリア英語となっています。

そのため、オーストラリア英語はベースをイギリス英語とし、アボリジニの言語から派生した言葉が多く、独自性のある言語がオーストラリアで広く使われるようになったのです。

実はスペリングが異なる

元の単語が何かわからなくなるほど、スペリングが変化したオーストラリア英単語も存在します。

語尾がieに変化する言葉

・ breakfast(朝食)→brekkie
・Australlian(オーストラリア人)→Aussie

語尾がyに変化する言葉
・chocolate(チョコレート)→choccy
・husband(夫)→hubby
・kindergarten(幼稚園)→kindy

このように語尾が変わりますが、スラングとして覚えてしまえば、むしろオーストラリア留学ならではの言い回しで、ネイティブにとても喜ばれます。
現地に暮らすオージーはみんなこのような独特のスラングを使うので、暮らしていけば
自然と覚えていきます。

全く違う単語がある

オーストラリア人の方は、言葉を省略して使うことが多いため、オーストラリア英語では、アメリカ英語とはスペリングが全く異なる単語が多いです。

このように短縮された単語が複数あります。

・cup of tea(お茶)→cuppa
・kangaroo(カンガルー)→roo
・sandwith(サンドウィッチ)→sanga
・Thank you(ありがとう)→Ta
・you(あなた)→ya

よく使われる言葉も短縮される単語があり、覚えるのが大変に感じそうですが、日常的に話していればすぐに慣れます。

オーストラリア英語は特徴的ななまりが魅力

mapofaustralia
mapofaustralia

オーストラリア英語はなまりが魅力でアメリカ英語との違いを感じられます!

オーストラリア英語とアメリカ英語の違いがわかってきたところで、さまざまな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。ここでは、オーストラリア英語に関する疑問に対する答えを解説します。

オーストラリア英語のなまりは改善するべき?

オーストラリア英語で会話
オーストラリア英語で会話

「オーストラリア英語は、今まで日本で学んできたアメリカ英語と違っているため、なまりは改善するべき?」と感じる方もいるでしょう。

しかし、オーストラリア英語のなまりは、改善するほどの大きな問題ではありません。理由は、オーストラリア英語がイギリス英語をベースとして話されているためです。

イギリス英語の特有の発音がオーストラリア英語にも影響しており、癖の強いなまりを感じることはありません。

実際、世界的に見ると、イギリス英語をベースとした教材で英語を学ぶ国の方が、アメリカ英語ベースの教材よりも多いです。

そのため、イギリス英語をベースとしたオーストラリア英語のなまりは、改善する必要はありません。

公用語の英語としてもなまりがひどかったり、オーストラリア以外の国で全く通用しないほどのものではないため、安心して話せます。

オーストラリアに留学するとアメリカ英語が聞き取れない?

これもよくある質問ですが、ネイティブ発音である限り、英語は英語。他の国のアクセントが聞き取れないということはありません。アメリカで学んでもオーストラリア英語は聞き取れます。「カナダのほうがフラットな英語が学べると聞いた」という人もいますが、フラットな英語、というのは存在しません。カナダにはカナダ英語のなまりがあります。ただし、オーストラリア英語と同じように、カナダ英語を学んだからイギリス英語が聞き取れないということもありません。

また、オーストラリアで英語を学んだら、他の国で通じないのでは?と心配する方もいますが、これも全く問題ありません。幸い、というか、残念ながら、というか、日本人が大人になってから学ぶ英語は、日本語なまりが抜けることはありません。

ですので、どこの国で英語を学んでも、「日本人が話す英語」のアクセントになります。ですが、英語は世界の共通語ですから、ほとんどの人が第2外国語として、母国語なまりの英語を話しています。国連の会議などもそうですよね。ですので、どこの国で学んでも、どこかのアクセントだと通じない、ということはありません。

「品格のある」イギリス英語 

クイーンズイングリッシュと言われるくらい、イギリスの英語は品格が良くて有名です。
ハリウッド映画の影響で、どうしても日本ではアメリカ英語が標準だと思いがちですが、
伝統と品格のあるイギリス英語をわざわざ習いたいという人もたくさんいます。
世界の英文ニュース記事を読んでいると、イギリス英語もアメリカ英語も、同じくらいの比率で見かけます。

オーストラリアでよく使う挨拶・会話表現(スラング)6つ

挨拶・会話表現
挨拶・会話表現

オーストラリア英語の挨拶・会話表現を覚えるとオーストラリア人と親しくなれます!

オーストラリアでよく使う挨拶・会話表現を紹介します。オーストラリアでの会話を楽しみたい方は、ぜひ覚えておきましょう。

1.「G’day」は挨拶で使える表現

オーストラリアでの挨拶は、「G’day」と言います。「G’day」は、「Good day」を省略した言葉として使われていて、オーストラリア英語での発音は「グダイ」です。

日本語の意味としては、「こんにちは」・「良い一日を」が近く、気軽な挨拶として使えます。カジュアルな挨拶で誰にでも使えるような表現といえます。

またアメリカ英語の「Friend」(友達)は、オーストラリア英語では、「Mate」と言われています。「Mate」と「G’day」と合わせて「G’day, mate!」と言うことで、さらに親しみのある意味合いとなり、友達に話す際に使えます。

2.「Ta」は「ありがとう」

オーストラリア英語の「Ta」は、アメリカ英語で「Thank you」を短縮したものといわれたり、デンマークやスウェット語の「Tac / Tack」が由来とされたりしている言葉です。「Ta」は、「ありがとう」という意味で「ター」と発音します。

老若男女に使われており、日本で「どうも!」「ありがとう」と同じようなカジュアルな場面での言葉として話されています。

3.「Cheers, mate」はカジュアルなお礼に

「Cheers, mate」はカジュアルなお礼の際に使われる表現です。アメリカ英語の「Thanks!」に近いニュアンスで、誰にでも使える言葉です。

「Cheers, mate!」と「Cheers」のあとに「mate」をつなげて表現することが多く、友達や顔見知り、初めて会う方にも使えます。

4.「No Worries」は「どういたしまして」

「No Worries」は、アメリカ英語で「You’re welcome」、「No problem」と同じ「どういたしまして」の意味です。「No」と「Worries」は、アメリカ英語の「Don’t worry」と同じように「気にしないで」の意味で誰もが気軽に使う言葉となっています。

「Ta(ありがとう)」と「No Worries(心配ないよ)」を覚えておけば、何かお礼を言う、言われた際にすぐに使えます。

5.「How are ya going?」で「調子はどう?」

アメリカ英語では、「How are you doing?」や「How’s it going?」(「調子はどう?」)とほぼ同じ意味なのがオーストラリア英語の「How are ya going?」です。

またより丁寧に話す場合は「How are you doing?」という表現にします。先ほど紹介した「G’day, mate!」と合わせることで挨拶のフレーズとして使えます。

・「G’day, mate! How are ya going?」(こんにちは!調子はどう?)

6.返事は「Yup」「Nup」で使える

会話の中で返事をする際には、「Yup」と「Nup」を使います。

「Yup」は、「ヤップ」と発音し、「Yes」と同じ「はい」という肯定する意味です。「Nup」は、「ナップ」と発音し、「No」と同じ「いや」「ううん」という否定する意味です。

「Yup」と「Nup」は、カジュアルな場面や友人との会話での返事など、さまざまなところで使えます。

親しい中での返事では適切ですが、会社の上司やお取引先の方などとの会話では不適切です。そのため、場面によっては使いやすい言葉といえます。