
オーストラリアで看護師なりたい、国際看護師として永住権を取りたい。そんな夢を持っている看護師さんたちも多いのではないでしょうか。
そんな方のために、海外で正看護師になるにはどのような方法があるのか、また英語力や費用はどれくらい必要なのか?
永住権はとれるのか?仕事はあるのか?といった疑問を解決していきます。
Contents
どんな人が看護留学するの?
オーストラリアの看護留学までの道のり
オーストラリアに看護留学を希望する方は、正看護師さんがほとんどですが、助産師さんや理学療法士さんも時々いらっしゃいます。いきなり英語力がある方は稀で、ほとんどの方が英語の初心者です。そんた、えまずは英語を話せるようになりたい!という目的が多く、1年後くらいに英語力がついたうえで、現地での看護師資格を目指したり、看護師以外にも介護系の資格や、福祉系のカウンセラー資格取得のために進学する方も多いです。
また、帰国して英語で患者さんをサポートできる病院就職を目指したり、海外の医療ボランティアに参加したり。英語力をつけた後の看護師さんたちは可能性が広がって、たくさんの事にトライしています。
いきなり看護協会登録を目指すと、ハードルも高く本当に自分にできるのか、と自信がなくなってくる方も多いです。まずは着実に自分ができる小さなことをクリアしていきましょう。
看護留学の種類
看護留学は以下の4つが主流かと思います。
1)正看護師として看護協会登録をする
2)アシスタントナースになる
3)医療英語を学ぶ
4)病院視察をする
5)OET試験対策コース
6)IELTS試験対策コース
1)正看護師として看護協会登録をする
正看護師になるには、OETテストのB以上の合格、もしくはIELTS7.0、日本での臨床経験、学歴など複数の条件が必要で、一番の難関です。語学留学経験が必須です。
2)アシスタントナースになる
次にハードルが高いのはアシスタントナース。こちらも専門学校での履修と資格取得が必要で、専門学校の入学条件には一般的にIELTS5.5以上が必要とされます。そのため、まずは語学留学が必須となります。
3)医療英語を学ぶ
医療英語は語学学校でコースを持っている場所がありますが、多くはありません。こちらも英語初心者は受講できませんので、英語初心者の場合はまずは一般英語コースからの参加が必要となります。
4)病院視察をする
こちらも語学学校がコースを開講しています。一般英語コースとのパッケージで同時進行しており日本語通訳がつきます。そのため英語初心者から参加でき、1~2週間の短期でくる看護師さんもいます。
5)OET試験対策コース
OETはOccupational English Testの略称で、医療従事者のために作られた英語力認定試験です。
OET4科目全て(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)においてランク「B」の取得が合格点となります。
OETは医療専門の用語を勉強するため、IELTSアカデミックを学ぶよりも即実践に役立ちます。そのため海外で看護師を目指すのであれば、OET試験の習得が最も効果的かつ実践的です。
OET試験対策クラスを開講している学校は非常に少数です。生徒は世界中から集まったドクターやナース、歯科医などの医療従事者たちです。OET準備コースで集中的な勉強をすることにより大幅に留学期間が短縮され、このため生活費も含めたお金も時間も大幅に節約されます。
6)IELTS試験対策コース
IELTS(アイエルツ)はInternational English Language Testing Systemの略称で、海外の大学や専門学校進学、そして永住権取得のために必須のテストです。アカデミックとジェネラルの2種類があります。看護協会登録のためにはアカデミックでIELTS4科目全て(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)において「7.0」以上のスコアが合格点となります。
海外で看護師になるまでの流れ
一般的に言われていること
オーストラリアでは日本の正看護師免許を書き換えることができます。日本での臨床経験については、過去5年の間に2年以上の臨床経験があれば可能と言われていますが、看護協会登録の条件も随時変わりますので、登録の際に必ず協会へ確認が必要となります。ちなみに看護協会ではOET試験合格前の質問は基本的に受け付けていません。
それでは以下より、オーストラリアの看護協会登録をするための手順を紹介していきます。
そもそもオーストラリアで看護師になるために、現地大学を卒業し、bachelor(バチェラー)と呼ばれる学士が必要であると言われてきました。ですが、オーストラリアの大学は日本のように公立のほうが私立よりも安いということがなく、学費が非常に高額です。大学に必要な英語力をつけるための語学留学期間とその間の生活費をいれると、800万近い費用が必要となります。また、卒業すれば全員看護師になれるわけではなく、学士取得後にOETもしくはIELTSスコアが必要となります。
結局、そこまでコストをかけて大学へ行く意味がそれほどなく、弊社では大学編入の手配はしていません。
そこで私たちは日本ですでに正看護師であるお客様に、現地での大学の再入学はお薦めしておりません。日本で4大卒の看護師さんであれば、海外で再度学士を取得する必要がありません。そのため、日本ですでに学士をお持ちの看護師さんは、OET試験もしくはIELTS7.0を取得することで看護協会登録の申請が可能です。
オーストラリア看護協会への正式登録
オーストラリアで看護師として働くには、オーストラリアの医療従事者登録・審査機関の看護協会(AHPRA:Australian Health Practitioners Regulation Agency)に登録する必要があります。オーストラリア看護協会に登録することで、正看護師(RN:Registered Nurse)として働く資格を持つことができます。
オーストラリア看護協会(AHPRA)の登録には、英語でコミュニケーションが取れることを証明する必要があり、IELTSとOETのどちらかの認定試験をパスしなければなりません。
看護協会登録に必要な書類
看護協会に提出する書類は以下となります。
- 最終学歴の卒業証明書
- 最終学歴の成績証明書
- 出生証明書
- 正看護師の免許状
- 職務経歴証明書(最新の職歴)
- パスポートのコピー
看護協会登録の条件
看護師登録の申請書には過去5年の臨床経験の記載を求められます。看護学部を卒業後に臨床経験なしで留学してきた方などはどうしたら良いのか分かりませんが、臨床経験がないと審査不能という条件はありません。ですが、登録は出来たとしてもおそらく就職の際に困難かと思います。
また、学士保有者も卒業後10年以上が経過するとその履修した単位をほぼ認めない大学もあります。そうなると、再度オーストラリアの大学課程が3年必要となるケースもありますので注意が必要です。
審査には、英語力のほかに、海外で取得した詳細な学歴や職歴を証明する書類等を求められます。日本の看護学部のある大学の学位取得者の場合、その大学が、取得当事、正式な認可や監査を受けていたかどうか、またはシラバスの詳細や特定の履修科目の詳細を求められる事があります。 そのため、看護協会登録書類の準備には細心の注意が必要です。
臨床経験は最低2年あれば問題ないとは言われています。
アシスタントナースになるまでの流れ
アシスタントナースになるには、TAFE(Technical and further education)と呼ばれる州立の専門学校で6か月コースを受講し、CERTIFICATE III IN HEALTH SERVICES ASSISTANCEと呼ばれる資格が必要です。老人ホームでしか研修ができないCertificate III in Individual Support6か月の資格もあるので、間違わないように注意して下さい。どちらも日本では「アシスタントナース」と呼ばれているようです。働くためにはワーキングホリデービザが必要となります。
そのため、最初は学生ビザで留学し、資格取得後にワーキングホリデービザで仕事を探す方法が一般的です。TAFE入学にはIELTS5.5が必須となります。TAFEは州立の専門学校
ですが、永住権をもつ人と、外国人ではコースの種類と費用が異なります。アシスタントナースになるためのCERTIFICATE III IN HEALTH SERVICES ASSISTANCEで、外国人向けのコースを持っているTAFEは少数です。必ず取り扱のあるTAFEを確認する必要があります。
看護留学費用
オーストラリアで看護留学をする場合の大まかな予算です。私たちのご手配する留学は大学進学ではなく、語学学校+病院視察+医療英語が全て組み合わさったコースとなります。36週~52週のコースとなります。最終的にはOETコースもしくは、IELTSコースへの進級が可能です。
36週の場合
語学学校 Melbourne Language Centre | ||
入学金 | $200 | |
英語+看護教育クラス | $14,886 | 36週 (学費+教材費+看護テキスト代) |
ホームステイ手配料 | $200 | |
ホームステイ滞在費 | $1,120 | 4週間 |
空港出迎え | $109 | |
OSHC | $480 | |
ご請求金額(A$) | $16,995.0 | 1ドル 80円の場合 |
小計(円) | ¥1359600 | |
留学生保険10カ月 | ¥166,530 | (目安) |
航空券 | ¥70,000 | 日本⇒メルボルン片道(目安) |
ホームステイ退去後生活費 月10万円 | ¥400,000 | (4か月目安) |
学生ビザ | ¥49600 | 620ドル |
見積もり額(円) | ¥2045730 |
52週の場合
語学学校 Melbourne Language Centre | ||
入学金 | $200 | |
英語+看護教育クラス | $14,886 | 36週(学費+教材費+看護テキスト代) |
英語コース | $4,800 | 16週 |
英語クラステキスト | $200 | |
ホームステイ手配料 | $200 | |
ホームステイ滞在費 | $1,120 | 4週間 |
空港出迎え | $109 | |
OSHC | $672 | (目安) |
ご請求金額(A$) | $22,187.0 | 1ドル 80円の場合 |
小計(円) | ¥1,774,960 | |
留学生保険14ヶ月 | ¥236,270 | (目安) |
航空券 | ¥70,000 | 日本⇒メルボルン片道(目安) |
ホームステイ退去後生活費 月10万円 | ¥400,000 | (4か月目安) |
学生ビザ | ¥49600 | 620ドル |
見積もり額(円) | ¥2,530,830 |
看護留学に必要な英語力
1)正看護師として看護協会登録をする
正看護師として登録をするにはIELTS7.0かOET「B」以上の英語力が必要となります。
2)アシスタントナースに必要な英語力
TAFEへ進学する必要があるためIELTS5.5が必要となります。
3)医療英語を学ぶために必要な英語力
語学学校で開講する医療英語コースに進級するため、中級以上の英語力が必要です。英語初心者から開始した場合は半年後くらいが目安です。