
オーストラリア留学やワーキングホリデーでは、長期で海外に住むことになります。そのためホテルや宿ではなく、長期で契約できる家を探す必要があります。その滞在方法として一般的にシェアハウスを利用する方も多くおられます。
キッチンやバスルームなど共用して生活するため、生活費のコストを大きく節約することもできます。オーストラリア留学やワーキングホリデーで住む場合の滞在方法について、ここでは、シェアハウス事情、家賃、契約方法など、自分にあったシェアハウスの探し方、注意ポイントなど詳しく解説します。
留学カウンセラー 桜井彰子
Contents
シェアハウスとは?

シェアハウスとは、一つの住居に複数人が共有して暮らしている家のことです。
最近では、若者がシェアハウスをする番組が人気だったりと日本でもシェアハウスが注目されてきています。
オーストラリアではひとつの部屋や家をシェアして安く住むシェアハウスでの生活が、留学生やワーホリの方の滞在先として主流です。

身近になってきているとはいえ、日本人にとってはあまり馴染みのない生活スタイルですよね。
家族ではない誰かと同じ部屋で暮らすなんて、最初はなんとなく抵抗があったり、不安に思ったりすることもあるかとは思いますが、色んな人とのシェア生活はきっと新鮮でいい思い出になると思います。
シェアハウスのメリット・デメリット

シェアハウスで生活をする上でのメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット

・ひとり暮らしよりコストを抑えることができる
オーストラリアのシェアハウスの家賃の中には、基本的に光熱費・インターネットが含まれています。シェアハウスによっては、トイレットペーパー・食器洗剤が含まれているところもあります。
・入居後すぐに生活を始めることができる
シェアハウスは家具・家電付きのところが多いので、購入する必要がありません。スーツケースだけ持っていけばよいので非常に身軽に引っ越しをすることができます。
・家に話し相手がいる
ひとり暮らしだと家に誰もいないので、寂しさを感じることもありますが、シェアハウスは家にハウスメートがいます。そのため、常に話し相手がいてみんなでワイワイできて楽しいです。
・学校・バイト先以外の友達ができる
留学先では学校やバイト先以外でなかなか友達を作りづらいですが、シェアハウスに住むことで新しい友達ができ人脈が広がります。
・ひとり暮らしでは住めないような場所に住むことが出来る
シェアハウスならひとり暮らしでは手が出せないような高層マンションの高層階に住むことも可能です。夕日や夜景を眺めながらハウスメイトとおしゃべり、そんなことができるのもシェアハウスならでは。
デメリット

・気を使わないといけない
同じ家に住んでいるとはいえ、家族ではありません。そのため、お互いが気持ちよく生活するためにある程度気を使ったりルールは守らないといけません。
・苦手な人と住む場合も
ハウスメイトは選べる訳ではないので、苦手な人と生活をしていかなければいけない可能性もあります。
・生活リズムが異なる場合も
家だけでなく、部屋もシェアするシェアルームで生活する場合は、ルームメイトと生活リズムが異なる場合もあります。例えば、ルームメイトは空港でバイトしているため夜9時就寝朝5時起きですが、自分は居酒屋でバイトしているため夜11時帰宅で朝は比較的ゆっくりなんてこともあります。そのため、電気をつけず物音を立てないようにしないといけなかったりと生活リズムが違うと大変なことも多いです。
・水回りが少ない
シェアハウスによっては4~5人で生活していて、トイレ・シャワー・洗面台・キッチンがそれぞれひとつずつのところもあります。そのため、順番待ちしないといけない場合、料理するときにスペースが狭いこともあります。
シェアハウスの部屋のタイプ
シェアハウスにはいくつか部屋のタイプがあるので、それぞれご紹介していきます。
オウンルーム(シングルルーム)

オウンルームとは、一人部屋のことを指します。キッチンやバスルームは他の住人と共用ですが、寝室は1人で使うことが出来ます。自分ひとりの空間が欲しい方はオウンルームがおすすめです。しかし、他の部屋より家賃は高くなります。
マスタールーム

マスタールームとは、その部屋専用のバスルームが付いている部屋のことを指します。キッチンやリビングなどは共用になりますが、シャワーやトイレはその部屋専用のものになっています。
必ずしもマスタールーム=一人部屋 という意味ではありませんのでご注意ください。
シェアルーム

シェアルームとは、一つの寝室を何人かで共有するスタイルです。
友達同士やカップルで住むこともできますが、多くの場合は先に入居していた誰かとのシェアになります。
シェアする相手を自分で探さなくてはいけない訳ではありませんので、ご安心ください。
リビングシェア

リビングシェアとは、広いリビングの一角をパーテーションなどで簡単に仕切ってベッドを置いているスタイルのことを指します。
他のお部屋より安い家賃で住むことが出来ますが、プライベートスペースはほとんどありません。リビングシェアをする場合は短期の滞在やどうしてもお金がない時だけにしたほうがいいかもしれません。
ドミトリー

ドミトリーとは、2段ベッドなどが複数置かれた相部屋の格安宿泊施設のことです。部屋も狭く、4~8人部屋が多いので、ドミトリーも宿泊費を抑えるでことが出来ますが、プライベートスペースはほとんどありません。
ドミトリーで生活する場合は、短期の滞在やどうしてもお金がない時だけにしたほうがいいかもしれません。
シェアハウスの探し方
シェアハウスの探し方は様々ありますが、その中でも主流の2つを紹介していきます。
インターネットで物件探し
シェアハウス探しは、インターネットを使うのが主流です。
オーストラリアでは物件に関する情報量が多く、新しいものがどんどん掲載されていきます。
日本のように不動産会社を通して、面倒な手続きを行う事はほとんどなく、オーナーさんに入居の意思を伝え、数週間分の家賃を前払いしたり、保証金を支払う事によって契約が完了します。(手順はオーナーさんによって異なります)
日系サイトでは日豪プレス、地元サイトではGumtreeを使う方が多いようです。
日豪プレス オーストラリア生活情報サイトはこちら
オーストラリア人気の掲示板サイト「Gumtree(ガムツリー)」はこちら
また、日系のものは各都市の掲示板もありますのでチェックしてみてください。
学校の掲示板
インターネットより情報量は少ないかもしれませんが、学校の掲示板にルームメイト募集の広告が貼ってあることもあります。
自分や自分のルームメイトが出て行くタイミングで生徒達が出しているものなので、インターネットで探すより、学校の近くのお部屋や勉強しやすい環境のお部屋等、自分の希望にあったものを見つけやすいかもしれません。
シェアハウスの内見から契約まで
まずは場所・地域を下見
いいお部屋を見つけたら掲載されているページに連絡先が記載されていますので、まずは見学予約の連絡をしてみましょう。アポが取れたら、物件を直接下見に行きましょう。
下見に行く際は、友達と一緒に行くことをお勧めします。
また、下見に行った際、チェックするべきポイントには以下の様なものがあります。
・ 交通の便
・ 周辺施設(スーパーやコンビニ等)
・ 騒音、日当たり
・ 家のルール(共用スペースの使い方や掃除当番など)
・ インターネット等の設備
・ キッチンやバスルームなど、共用スペースが綺麗に保たれているかどうか
・ 自分が自由に使えるスペース(部屋の他にも、棚や冷蔵庫など)
このような項目に加え、実際に見学してみて気になったことは全て質問しておきましょう。
見学をして、気に入ればすぐに契約ができます。
どんな人が住んでいるのか、管理は行き届いているか、周辺環境はどうか等、写真だけでは判断できない部分も多いため、インターネットで見た情報だけで決めないようにしましょう!
どんな住人がいるか確認

シェアメイトの人数やどういったライフスタイルの人が住んでいるのかを確認することも大切です。
朝4時に起きて仕事に行く人や昼間は寝ていて深夜に働く人もいます。
シェア生活である以上、ある程度は仕方のないことではありますが、どちらかと言うと自分と似たような生活パターンの方が住んでいるお家の方が、お互い暮らしやすいかもしれませんね。
家賃・支払い方法を確認

後からトラブルにならないためにも、お金のことは初めにきちんと整理しておきましょう。確認するべき点は次の5つです。
・ 週の家賃
・ ボンド(住み始める時にわたす保証金)
・ 公共料金
⇒公共料金は家賃に含まれている場合が多いのですが、請求書が届いた後にみんなで割り勘するという形をとっている家もあります。
・インターネット料金
⇒インターネット料金も家賃に含まれている場合が多いのですが、別料金がかかるお部屋もあります。
・ 生活必需品にかかる料金
⇒食器用洗剤やトイレットペーパーなど必ず全員が使うものについては、①みんなで共同購入している場合、②オーナーさんが出してくれている場合、③個人で購入している場合がありますので、そこも確認しておきましょう。
最低居住期間を確認

大体のお部屋は最低入居期間が決められています。
期間内であっても次に契約を引き継いでくれる人を自分で見つけてくればOKというところもあります。しかし、期間内に退去したらボンドを何割か返してくれないというオーナーさんもいますので必ず細かいところまで確認しておきましょう。
退出時の条件を確認

退居する際、何日前までにオーナーさんへの報告が必要かというところが一番重要です。
その部屋を出ていく場合、2週間前に知らせるのが一般的ですが、これも家ごとに異なりますので、しっかり確認しておきましょう。
シェアハウスのトラブルを回避するための注意
部屋に鍵はありません
玄関の鍵は共有ですが、基本的に部屋に鍵はありません。なので貴重品はスーツケースにいれて鍵をかけるなど、それなりの管理をしましょう。ただ、一つ屋根の下に一緒に住むので、基本的は信頼関係の上に成り立っています。
ボンドとは?
日本では馴染みのない言葉ですが、保証金、敷金のようなものです。家賃を滞納したり、家のモノを壊したままいなくなったりした場合に、いろいろと保証するもので、オーナーを守るためのものです。退去時には返金されます。ボンドは家賃の1カ月、2か月だったりと、オーナーによって異なります。
光熱費が含まれるか確認しましょう。
電気代、ネット代、光熱費は含まれていたり、いなかったりで、決まりはありません。内見時に細かく確認しましょう。
オーナーがボンドを返してくれない場合
退去時にオーナーがボンドを返してくれない、というトラブルもよくききます。どうしても解決しない場合は、Fair Tradingという場所へ連絡してください。専門機関なので相談にのってくれます。
ボンド詐欺に注意!
SNSのチャットだけで契約をすすめる人は要注意です。格安の物件写真を掲載して、「この物件は人気だから、すぐにボンドを払った人に鍵を送る」という言葉でだまします。保証金を送金したら連絡がとれなくなります。掲載している物件もにせ物件。勝手に赤の他人の家の住所と写真を掲載したりしています。
必ず中を見学してから契約してください。
どんな人が住んでいるの?
シェアハウスには日本人もたくさん住んでいます。日本人と一緒に住むのはラクですが、英語の勉強という意味ではあまり上達には繋がりません。日本語の情報サイトを見ている限りは、当然日本人が多いシェアハウスになりますので、ぜひ英語サイトで見つけるようにしましょう!