シニア向け「オーストラリア留学の保険」OSHCと海外旅行保険とは

50代・60代以上でオーストラリアに留学する方にとって、「どの保険に入れば安心か」はとても大切な準備です。

短期留学(観光ビザ)の方も、長期留学(学生ビザ)の方も、ご出発前までに必ず保険加入をお済ませください。

シニア留学する方に必要な補償・選び方・使い方を整理してご紹介します。ご自身にあった保険選びの参考にしてみてください。

OSHC(海外留学生保険)とは?

OSHC(Overseas Student Health Cover:海外留学生保険)とは、

学生ビザで長期留学する方は加入が義務付けられているオーストラリアの医療保険です。

「滞在期間すべてをカバーすること」とされているため、学生ビザの有効日数すべてが加入対象となります。

オーストラリアの学生ビザは学生が就学する期間に対して1〜最大3か月長めに発給されます。

月単位で保険料が設定されており、学生の就学期間に対してビザの終わりの期間を予想しやや長めに加入設定されます。

保健料の目安は、おおよそ月55〜60ドル程です。

主な補償の例

  • 医師の診察・検査:オーストラリアの医療費基準に基づき一部補償(全額ではない) 。
  • 救急車搬送:緊急時はカバー対象(プラン規定あり)。
  • 処方薬:対象薬に上限・自己負担(1回あたり/年あたり)が設定されるのが一般的。
  • 公立(私立)病院での治療・入院:カバーはあるが、基準額超の差額(ギャップ)は自己負担の可能性。

★ポイント★

OSHCは医療費中心。盗難・携行品・賠償責任などは原則対象外です。

OSHCと「日本の留学用・海外旅行保険」の役割分担

比較項目OSHC日本の留学・海外旅行保険
対象学生ビザで留学(加入必須)観光~長期留学まで
カバー範囲医療が中心(MSB基準に準拠)医療+携行品、賠償責任、渡航トラブルなども対象
言語サポート基本は英語日本語対応のサービス
加入時期ビザ申請に合わせて必須渡航前に任意加入

OSHCでは「物的損害・賠償・渡航トラブル」などは基本的に補償されないため、OSHCに加入する方も日本の留学用・海外旅行保険に併せて加入されるほうが安心です。

シニア世代が必ず確認したいポイント

万が一の時に利用する保険ですので、慌てず安心して利用できるように事前にポイントを確認しておきましょう。

既往症の待機期間と申告の仕方

50代・60代での留学では、高血圧や糖尿病など「持病」を持って渡航される方も少なくありません。
 OSHCでは、留学前からあった病気(既往症)については待機期間が設けられることが多く、加入後12か月ほどは関連する治療費がカバーされない場合があります。

申請時に既往症の有無を正しく申告しておくことが大切です。虚偽申告をすると、いざという時に補償が受けられないこともあります。安心して医療を受けるために、正直に申告し、必要なら日本の保険も組み合わせて備えると良いでしょう。

常用薬・日本の処方の英語化(成分名・用量)

普段から服用している薬がある方は、オーストラリアでも継続して使えるかを必ず確認しておきましょう。
 同じ薬でも商品名が違うことがあります。オーストラリアの医師や薬局へ伝えられるように事前に以下をご準備ください。

  • 有効成分名(英語表記)
  • 1日の用量・使用目的

日本のかかりつけ医からの英文の診断書、または処方箋を渡航時にお持ちになることをお勧めします。

受診先の探し方(Direct Billing対応の医療機関)

オーストラリアでは、病院やクリニックによって「Direct Billing」=保険会社への直接請求に対応しているところがあります。
 Direct Billingが使える医療機関なら、窓口で大きな立替払いをせずに済み、キャッシュレスで診察を受けられるのがメリットです。

学校や保険会社のウェブサイトに、提携医療機関リストが公開されていることが多いので、自分の滞在エリアで利用可能な病院を事前に控えておくと安心です。

日本の海外留学/旅行保険には、日本語対応の電話で提携病院を教えてくれるサービスもありますので、受診前に連絡先を確認しておくと良いでしょう。

ギャップ費用が発生しにくい受診のコツ

OSHCがカバーするのは、オーストラリア政府が定める「MBS基準額」までです。それを超える料金はギャップ費用(差額)として自己負担になることがあります。

ギャップを抑えるためには、

  • 診察前に「保険の範囲で診療できますか?」と確認する
  • Direct Billing対応の医療機関を優先して利用する
  • 専門医を受診する場合は紹介状(Referral)をもらってから行く

といった工夫が役立ちます。

日本の留学用・海外旅行保険で補う範囲

留学生にとっては医療保険の他にも、携行品・賠償責任・救援者費用・旅行トラブルといった保険に加入する事が重要です。

OSHCはあくまで医療費中心の保険です。そのため、以下のような範囲はカバーされません。

  • 携行品補償:スーツケースやスマホの盗難・破損
  • 賠償責任:万が一、他人や物に損害を与えてしまった場合
  • 救援者費用:ご家族が日本から駆けつける費用
  • 旅行トラブル:航空便の遅延やキャンセル、乗り継ぎトラブル

これらは、日本の海外旅行保険や留学専用プランでしっかり備える必要があります。

カード付帯保険を使う場合の注意点

クレジットカードに海外旅行保険が付いている場合、短期滞在では役立つこともあります。

ただし、

  • 医療費の補償上限が低いことが多い
  • 90日までなど期間制限がある
  • 医療以外はカバーされても、OSHCが必須の学生ビザ要件を満たせない

といった制約があります。シニア世代の留学では「カード付帯だけに頼る」のは危険です。

1週間程の旅行であれば、クレジットカード付帯の旅行保険でも構いませんが、1か月以上の留学の場合は基本的に海外留学保険に加入することをお勧めします。

また、期間制限がある場合、出発時は保険が使えても保障期間がすぎてしまうと保険無加入の状態となります。海外滞在中に日本の保険会社との契約は結べないことも十分ご注意ください。

アクティブウーマンで保険プランのご案内・加入が可能です!

アクティブウーマンで提携保険会社のプランをご案内いたします。

担当カウンセラーと保険内容のご相談をしていただいて、プランが決まりましたら加入手続きが可能です。

弊社とお客様、保険会社で加入プラン内容を共有できますので、万が一の際も連携して対応出来る点がご安心かと思います。

ご自身で選んだ保険会社で加入手続きされても問題ありません。

その場合、「加入が完了している」ことだけご連絡をお願いしております。

申し込みのタイミングと手続きのコツ

  • いつ相談すればいい?
     目安は出発2か月前。1か月を切っても至急手配で間に合うことがあります。まずはご相談ください。
  • 延長できる?
     利用状況によっては延長不可もあるため、早めの可否確認が大切。希望期間や直近の利用状況などを伝えると手続きがスムーズです。
  • 解約・返金は?
     早期帰国などの事情により、月単位/日単位の返金ルールが設けられています(条件あり)。

もしものときに安心!日本語が通じる医療機関

都市日本語対応医療機関ウェブページ
ケアンズCairns West Medical Centrehttps://cairnswestmedical.com.au/
ブリスベンSakura Family Clinichttps://sakuraclinic.com.au/
ブリスベンSkyArch Medical Clinic Brisbanehttps://www.hawthorneclinic.com.au/information
ゴールドコースト日本語医療センターゴールドコーストhttp://www.nihongoiryo.com.au/
シドニータウンホールクリニックhttps://www.townhallclinic.com.au/
メルボルンパラマウントクリニックhttps://paramountclinic.com.au/#
パース日本語医療センターhttps://nihongoiryocentre.com.au/

まとめ

オーストラリアで学生ビザを取得する場合は「OSHC(海外留学生健康保険)」への加入が必須です。OSHCは医療費を中心にカバーしますが、国の基準額を超えた分や医療以外のトラブルは対象外になることが多いため、日本の留学保険や海外旅行保険を組み合わせることを強くお勧めします。

特にシニア世代は、持病(既往症)の扱い、処方薬の上限、救急時の対応、キャッシュレス診療(Direct Billing)の有無を重点的に確認しておきましょう。

保険選びは出発の2か月前を目安に進め、延長や解約のルールも確認しておくと安心です。しっかり備えておけば、現地での生活に集中して楽しむことができます。

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