オーストラリアでなぜ口座開設が必要か
オーストラリアに長期滞在するなら、銀行口座の開設は早めに進めておいた方が安心です。以下のような理由があります。
1、日本からの送金受取
日本にいる家族などに頼んで資金を送ってもらう際、送金の受け皿としてオーストラリア国内の銀行口座情報現地が必須です。渡航時は当面必要な少額だけ持ち込み、口座開設後に日本から生活費を送金してもらう事が多いです。
2、アルバイト・収入の受け取り
現地でアルバイトをする場合、給与支払いは銀行振込が一般的です。現金手渡しの職場もありますが、振込を前提とする事業者が多いため、口座を持っていると便利です。
つまり、銀行口座を早めに持っておくことは、生活の基盤を安定させるうえで不可欠です。
銀行口座を開設するには ― 基本の流れと準備物

主要都市銀行(メガバンク相当)を選ぶ
オーストラリアで口座開設するなら、特に以下の4行が代表的で、都市間の移動時にも支店網が充実しています:
- ANZ(Australia New Zealand Bank)
- NAB(National Australia Bank)
- CBA(Commonwealth Bank)
- Westpac(WBC)
これらなら、たとえ州や都市を変えても支店やATMが使いやすいという利点があります。
銀行の営業時間
銀行の営業時間は以下のような形式が多いです(支店や地域によって変動あり):
口座開設には30分〜1時間かかることがあるため、余裕を持って訪問するとよいでしょう。また、銀行によっては「予約が必要」な場合もありますので、事前にWebサイトで確認してください。
口座開設に必要な書類・条件
入国後6週間以内であれば、パスポートだけで口座開設できることが多いです。これはとても便利な制度です。
ただし、6週間を過ぎたあとは、以下のような書類が求められます:
- パスポート
- ビザに関する証明書類
- 住民票やマイナンバーカード、またはマイナンバー記載の住民票の写し(発行6か月以内)
- クレジットカード(持っていれば)
- オーストラリアの住所(滞在先)
- オーストラリアの電話番号
- 学生証など、在学や所属を証明できるもの
また、口座開設時には初回の預け入れ金(目安:約50豪ドル程度)が必要な銀行もあるようです。
口座開設のステップ(窓口での流れ)
- 銀行を選ぶ(支店網、手数料、サービス内容を比較)
- 必要書類を揃える
- 支店へ行き、窓口で「口座を開きたい(Open an account)」と告げる
- 口座の種類(普通口座、積立口座、当座預金口座など)を選ぶ
- 書類を提出、本人確認を受ける
- 口座番号を取得
- キャッシュカード(デビットカード)が後日郵送で届く(5営業日~最大2週間程度)
- 暗証番号(PINコード)を受け取り次第、ATMなどで利用可能になる
なお、普通口座(Saving Account)が多くの留学生に選ばれています。
普通口座には「月額維持手数料がある/ない」タイプや、「ATM無料利用回数に制限あり/なし」タイプがあるので、開設時に銀行担当者に確認しておくと安心です。
口座タイプ・手数料の注意点

- 普通口座(Savings / Transaction account)
最も一般的な口座です。給与振込や日常的な入出金に使います。 - 定期預金口座(Term Deposit)
一時的に資金を預け、利息を得たい方向け。 - 当座預金口座(Cheque Account)
小切手を扱う用途に使われますが、一般の留学生やシニア滞在者にはあまり利用機会が多くありません。
普通口座を選ぶ際は、まず「月額の維持手数料」がかかるかどうか、「ATM引き出し無料回数」や「国内・海外送金手数料」などを比較して、なるべくコストがかからない口座を選ぶことが望ましいです。
日本からオーストラリアへの送金方法
日本からオーストラリアの口座に送金する方法としては、主に以下の選択肢があります。
銀行/ゆうちょ銀行からの海外送金
- 各銀行の国際送金サービスを利用
- ゆうちょ銀行でも対応可だが、手数料や扱い可能な支店が限定されることも
- 必要な情報は、受取側の銀行名、支店番号(BSB番号)、口座番号、SWIFTコードなど
- 地方銀行など、小さい支店では海外送金を取り扱っていない場合もあるので、事前に確認が必要
楽天銀行からの送金
- 楽天銀行はオンラインで完結でき、比較的手数料が安いというメリットあり
- 受け取り側で手数料を負担するケースでは、楽天銀行側の送金手数料が約750円という例も紹介されています
- ただし、楽天銀行口座を持っていないと送金できませんし、すべてオンラインで進めるため、操作に慣れていない場合は注意が必要です。
海外送金サービス(例:Wise / TransferWise)
- オンライン完結、手数料が比較的安い
- 日本の銀行口座やクレジットカードから、オーストラリアの自分の銀行口座へ送金可能
- 為替レートや手数料が透明でわかりやすい点がメリット
- 家族など第三者に依頼する必要もなく、本人が手続きできるので、利便性が高い方法のひとつです
これらの選択肢を比較して、手数料・利便性・為替レートを考慮しながら使い分けるとよいでしょう。
ATMの使い方・注意点

オーストラリアのATM(Cash Machine/ATM機)は、24時間利用可能なものが多く、操作方法も日本と大きく違いません。
- キャッシュカードを挿入
- 暗証番号(4桁)を入力
- 緑の「Enter」ボタンを押す
- 引き出したい金額を選択
- 口座種別を選択(普通口座なら “Savings”)
- レシートの発行を希望するか選ぶ
- 利用完了
最初は操作に緊張するかもしれませんが、銀行スタッフに聞けば丁寧に教えてくれます。また、ATMを使う際には、手数料がかかる場合や「引き出し可能金額に制限」があることもあるので、利用前に確認できると安心です。
キャッシュパスポート(プリペイド式カード)の利用
「キャッシュパスポート」とは、あらかじめ通貨をチャージしておくプリペイドカードのような仕組みです。これを使って、オーストラリア国内のATMから現地通貨を引き出すことができます。
利点としては、銀行口座を開設する前でも使える可能性があること、使い過ぎを防ぎやすいこと、ATM手数料の比較的安さなどが挙げられます。ただし、チャージ手数料や為替手数料もかかる可能性があるので、利用条件を確認して使いましょう。
帰国時・口座解約の手続き

オーストラリアから日本へ帰国する際は、銀行口座をそのままにしておくこともできますが、以下の点に注意してください。
- 帰国前に解約を済ませる方がベター
帰国後、書面でのやり取りや郵送での手続きが必要となることが多く、ミスややり取りの遅れでトラブルになる可能性があります。 - 残高をすべて引き出すことを忘れずに
銀行によっては、解約時に現金(小切手)で残高を受け取れる支店もあります。ただし、そうでない場合や一日に引き出せる金額に制限がある場合もあるため、事前に銀行に確認しておくことが重要です。 - 日本でその銀行から引き出すことはできない
たとえば、ANZなどは日本にも支店がありますが、オーストラリアに残しておいた口座に日本からアクセスして資金を引き出す、ということは基本的にはできません。
以上を踏まえると、帰国前にすべての資金移動と口座の解約を済ませておくのが安心です。
シニア世代向けチェックポイント・アドバイス
最後に、特にシニア世代の方がオーストラリアで初めて銀行口座を開設・運用する際に気をつけたいポイントをまとめます。
- 書類不備に備える
6週間を過ぎてからだと、住所証明や追加書類が求められることがあります。できるだけ早めに手続きをすることをおすすめします。 - 手数料構造を把握
維持手数料、ATM引き出し手数料、国内外送金手数料などをしっかり確認し、「月額手数料ゼロ」や「ATM無料回数付き」の選択肢を狙いましょう。 - インターネットバンキングを使いこなす
留学中は手続きをネットで完結したい場面が多くあります。オンライン操作に不慣れな場合は、銀行スタッフに使い方を教えてもらうか、サポートを利用できる銀行を選ぶと安心です。 - 利便性を考えて支店・ATM網を重視
支店網・ATM網の広い銀行を選ぶと、移動時や地方滞在時にも安心です。 - 帰国前準備を怠らない
残高をすべて清算し、解約手続きを済ませておくことを忘れないようにしましょう。


