「もう年だから英語なんて…」と思っていませんか?
でも、実際に40代以上、あるいはシニア世代で留学を経験した方の多くは、「もっと早く始めればよかった」と口を揃えます。
年齢に関係なく、留学前の少しの準備で、現地での生活はぐっと楽しくなります。今回は、シニア世代が無理なく、楽しく英語を学ぶ方法をお伝えします。
会話の楽しさを優先する → 言いたいことを口に出してみる
英語は、文法や単語を完璧に覚えなきゃ…なんて思う必要はありません。大事なのは、「言いたいことを口に出してみる」ことです。
何でもいいんです。例えば、「今日はいいお天気だね〜」「ちょっと暑いね」「なんだかジメジメしてるね」こうした感じたことって相手に伝えて、共有したいですよね。会話の楽しさって、こういう「感じたことを伝えるところ」から始まるんです。
最初から完璧を目指すと、緊張しちゃって会話自体がちょっと億劫になったりします。だから、まずは軽い気持ちで、口に出してみることが大事。
テレビやYouTubeで人気の「出川イングリッシュ」のような、ちょっと笑える英会話動画を参考に
たとえば、こんな感じで話してみてもOK:
- 「It’s so sunny today!」(今日はお天気いいね〜)
- 「It’s hot today !!!」(暑いね〜)
ジメジメベトベトしているってどう言うのかな?? 調べてみると「damp and sticky」なんて単語があります。なので早速 damp and sticky! これで通じます!
文法がちょっと違っても大丈夫。間違えても笑いに変えられますし、そうやって話すうちに自然と英語に慣れてきます。
まずは、感じたことをそのまま口に出す。これだけで、英語で話す楽しさがぐっと身近になりますよ。
アウトプットの瞬発力を意識する

留学中は、相手の言ったことにその場で反応する「瞬発力」が求められます。でも、シニア世代はどうしても「完璧に答えよう」と考えがちで、沈黙が増えやすいものです。
そこでおすすめなのが、家での「ゆっくり反復練習」。例えば、簡単な自己紹介や道案内のフレーズを、毎日少しずつ声に出して練習します。
- 「Where is the restroom?(トイレはどこですか?)」
- 「I would like a coffee, please.(コーヒーをください)」
最初はゆっくりでも構いません。自分のペースで声に出すことを習慣にするだけで、留学先での反応速度が格段に上がります。ポイントは「間違えても気にしないこと」。恥ずかしさは、経験と共に自然に薄れていきます。
「自分に関連する単語」を中心にイメージで覚える
辞書を片手に単語を片っ端から覚えるのは、シニア世代にはハードルが高いものです。そこでおすすめなのは、「自分に関係があること」「今すぐ使う場面があること」を中心に単語を覚える方法です。
例えば、留学初日で一人で空港に向かうとします。その時に必要な単語は?
- 荷物受け取り → baggage claim
- 回転ベルトコンベア → carousel
実際に自分の経験に結びつけると、記憶に残りやすくなります。「このベルトコンベアで荷物を受け取るんだ」とイメージしながら覚えることで、単語が頭に定着します。
同じように、日常生活で使うものや、自分の趣味、家族のこと、買い物や交通に関する単語を優先的に覚えると、短期間でも使える英語力が身につきます。
恥ずかしさを少しずつ克服する

シニア世代の多くは、若いころから「人前で自分の意見を強く言わない」習慣があります。これは日本文化特有の良さでもありますが、留学先では「自分の意思を伝えること」が必要です。
克服のコツは、小さな成功体験を積み重ねることです。
最初にできることの例として、バスに乗車する時はドライバ―に「Good Morning!」と挨拶をして下りる時に「Thank you!」と言ってみてください。
私はオーストラリアに留学中に他の乗客の人達がそのようにしていたので真似してみようとはじめました。最初は口にするのはどきどきしますが、是非やってみてください。
日本ではなかなかバスの運転手さんに「おはよう」「ありがとう」と言うことは無いと思いますが、オーストラリアでは皆普通にします。私は日本に戻って来てから、下りる時には「ありがとう」と言うようになりました。
現地のお店やレストラン、カフェで注文するとき、必ずと言っていいほど店員さんに「おはよう」「こんにちは」と挨拶をします。
日本は店員さんから「いらっしゃいませ!」と声がけがあることが多いですが、オーストラリアでは店員さんから挨拶が飛んできます。
あのお決まりの、「How is it going? How are you going?」の挨拶が飛んできます。私も最初は「I am fine」で返せばいいのか、正しいのか間違っていないか、にとらわれて直ぐに返答できずモジモジしたことがあります。
最初はぎこちなくても構いません。でも何でも挨拶を口にすること、その回数が増えれば慣れてきて自然に挨拶ができるようになります。
大事なのは繰り返すことです。自然と英語を話すことの恥ずかしさが薄れてきますよ。
演劇を通して英語を覚える

シニア世代は、抽象的な単語やフレーズを覚えるのが苦手でも、イメージに結びつけると覚えやすくなります。
例えば、「rainy day」はただの「雨の日」ではなく、自分が雨の中で傘をさして歩く姿を思い浮かべる。「ticket」は空港カウンターでチケットを受け取る場面を思い浮かべる。
「体験や映像」と一緒に単語を覚えると、自然にアウトプットがしやすくなります。これは「脳がストーリーを覚える仕組み」を利用した方法です。さらに効果的なのが、演劇やロールプレイを通した練習です。
役になりきってセリフを言うことで、単語やフレーズが「自分の体験」として刻まれるのです。例えば、レストランで注文する場面を友人と演じれば、「Can I have〜?」が単なる暗記ではなく、自分の声・動作・感情とセットで記憶されます。
オーストラリアの語学学校では、授業の一環として寸劇をすることもあります。英語でセリフをつくり、役割を決めて、実際にミニ劇を演じるのです。ちょっとしたハプニングや即興でのやり取りもあって、笑いが生まれ、教室全体が和やかで温かい雰囲気に包まれます。
間違えても「それが面白い!」と笑って受け止めてもらえるので、緊張せずに挑戦できるのも魅力です。こうした経験は「学ぶ楽しさ」と「人とのつながり」を同時に感じられるので、シニア世代にとっても大きな励みになります。「勉強」ではなく「遊び」と思える瞬間が増えるほど、自然と英語が身についていくのです。
毎日5分でも、英語に触れる習慣を
留学前に大切なのは、完璧に勉強することではなく、「毎日英語に触れる習慣」を作ることです。
朝のコーヒータイムに英語ニュースを聞く。
夕食前に英語で日記を書く。
英語の歌を歌って発音練習。
短時間でも毎日続けることで、「英語を使う感覚」が身につき、留学先での不安もぐっと減ります。特にシニア世代にとっては、一度に長時間勉強するより、短くても無理なく続けられる工夫が大切です。たとえば、散歩中に道端の看板や広告を英語にしてみたり、スーパーで「今日は英語で買い物リストを言ってみよう」と小さな挑戦をするのも効果的です。
生活の一部に英語を混ぜることで、学習が「特別なこと」ではなく「毎日の習慣」へと変わっていきます。5分を積み重ねれば1か月で150分、半年で900分以上。小さな努力の積み重ねが、やがて大きな自信につながります。忙しい日があっても、「今日は2分だけやってみよう」と気軽に考えれば大丈夫。大切なのは、毎日少しでも英語に触れるという温かいリズムを生活に取り入れることなのです。
まとめ
40代以上、シニア世代の留学準備で大切なのは、
- 会話を楽しむこと
- ゆっくり反復でアウトプットの瞬発力を養うこと
- 自分に関連する単語を優先して覚えること
- 恥ずかしさを少しずつ克服すること
- イメージと結びつけて覚えること
- 毎日少しずつ英語に触れること
完璧な英語を目指さなくても、少しずつ自信がつけば、留学生活は格段に豊かになります。大切なのは「できるかどうか」ではなく「やってみよう」という気持ちです。年齢は関係ありません。自分のペースで、楽しみながら学ぶことこそが、シニア留学の成功の秘訣です。
さあ、あなたも「少しの準備」で、留学先の会話を楽しめる自分に変わっていきましょう。笑顔で「Hello!」と声をかけられる日が、すぐそこに待っています。



