オーストラリアに留学する際、携帯(スマホ)をどう使うかというのは「勉強のサポート」「生活の便利さ」「緊急時の備え」の面からとても重要です。特にシニア留学の方にとって、慣れていない土地で使い勝手の良い通信手段を準備しておくことは安心につながります。
このページでは、オーストラリアで携帯を使う基本のしくみ(国際ローミング、現地SIM、Wi‑Fiなど)、短期留学/長期留学それぞれに向く方法、および注意点を整理して、おすすめの使い方をご紹介しています。
基本情報:用語と仕組み
まず、知っておくと役立つ基本用語と仕組みです。
| 用語 | 説明 |
| 国際ローミング(International Roaming) | 海外に行って、日本の携帯会社のSIMをそのまま使う方式。データ通信・通話が海外のネットワークを借りて行われる。便利だが、料金が高くなることが多い。 |
| プリペイドSIM(Prepaid SIM) | あらかじめ料金を支払って使う現地のSIMカード。契約期間の縛りがないものが多い。 |
| 定額(月額)プラン(Postpaid/SIM契約) | 現地の通信会社と月契約を結び、毎月固定料金でデータ・通話などを使う。長期滞在向き。 |
| SIMフリー端末 | 特定の通信会社にロックされていないスマホ。現地のSIMを入れ替えても使える。ロックがかかっていると、現地のSIMが使えないことがある。 |
| eSIM | 物理的なSIMカードを差し替える必要がなく、デジタルでSIM情報を入れ替えるタイプ。対応している機種が必要。 |
オーストラリアの通信環境の特徴
オーストラリアでは以下の状況があります:
- フリーWi‑Fi が使える場所が多い:空港、語学学校、学生寮、ショッピングモール、カフェなどで無料Wi‑Fiが提供されていることが多い。
- 通信会社(キャリア)選択肢:日本と同様に主要な通信会社が3社あります。Telstra(テルストラ)、Optus(オプタス)、Vodafone(ヴォーダフォン)
実際の利用範囲

スマートフォンは日々の生活に欠かせない存在ですが、オーストラリアでの留学生活においては、日本での生活とはやや異なる使い方になることが多いです。特に語学学校に通うシニアの方にとって、スマホに頼らずとも人との関わりで多くのことが解決できる環境が整っているのが特徴です。
ここでは、実際の利用シーンごとにスマホの使用範囲や通信の必要性を解説します。
1. 家族や友人との通話は「LINE」で十分
- 日本にいるご家族・ご友人とのやり取りは、日本と同様にLINEのメッセージや音声通話を使うのが一般的です。
- 特別な設定は不要で、Wi‑Fiまたはデータ通信ができればそのまま使えます。
- ほとんどの会話や連絡はLINEで事足りるため、電話番号がなくても支障が出ることはほとんどありません。
2. オンライン通話(Zoomなど)もWi‑Fi環境でOK
- 必要に応じて、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ通話を使う機会もあります。
- 例:オンライン説明会、学生サポート面談、医療相談など
- これらもすべてWi‑Fiがある環境で行えば追加料金はかかりません。
- 語学学校の中には、オンライン授業を一部導入しているケースもありますが、授業時間中は学校のWi‑Fiが利用できるため心配は不要です。
3. 学校との連絡はメールやLINEで行うことが多い
- 緊急時(体調・欠席など)の連絡は、学校が共有するメールアドレスやLINEアカウントを通じて行うケースが増えています。
- 特に学生向けの語学学校では、電話よりもLINEやWhatsAppで連絡が取れるようにしていることが多く、日本語での対応が可能なスタッフもいる場合があります。
- あらかじめ学校の連絡手段を確認しておくと安心です。
4. 授業中はスマホより「先生との会話」が主
- 授業中はスマホを使わずに、先生やクラスメートとの対話に集中します。
- わからない単語や表現が出てきた場合も、すぐにスマホで調べるよりも先生が説明してくれることが学びにつながります。
- 日本で慣れてしまっている「何でもすぐスマホ検索」の癖は、逆に学習の妨げになることもあります。
5. 外出先での交通案内は、そこまで頻繁に使わない
- オーストラリアの都市部では、トラム(路面電車)や地下鉄、バスが数分おきに来るため、時刻表を調べる必要がないことも多いです。
- 初めて通う学校までのルートやバスの乗り方は、ホストファミリーが丁寧に教えてくれることが一般的で、1〜2回乗れば覚えられることがほとんどです。
- そのため、「外出のたびにスマホで経路検索をする」といった使い方は実際には少ないです。
6. 電話番号を使う場面はごく限られる
- 滞在期間が長くなると、アルバイト先や銀行などからの連絡用に電話番号が必要になることもありますが、実際に「電話をかけたり、かかってきたりする機会」はごく限られています。
- SMSでの連絡やLINEが主であり、通話としての電話利用はほとんどないというのが現実です。
- 学生同士や先生との日常的なやり取りも、LINEや学校アプリを使うケースが中心です。
7. 日本と違い、スマホに時間を使う機会は少ない
- 留学中は、日々の学習や人との関わり、外出などが生活の中心となるため、スマホでゲームをしたり、SNSや動画を見続けるような時間は自然と減る傾向があります。
- 特にシニアの方は、「実際に人と話す」「現地の生活を体験する」といった目的で来ているため、一人で黙々とスマホを使う場面は少ないでしょう。
- 結果として、通信量も日本での生活ほど多くは必要ありません。
このように、オーストラリアでの生活では「スマホが使えなくて困る」という場面は実際にはそれほど多くありません。人と直接話すこと・体験を通じて学ぶことが主となる生活だからこそ、スマホは補助的なツールとして上手に使っていくのが理想です。
短期留学(3週間まで)のおすすめ利用方法

「滞在期間が3週間以内」の場合、通信手段は簡単に決められることが多く、コストや準備の手間を抑えつつ安全に過ごす方法があります。
方法の比較
| 方法 | メリット | デメリット |
| 日本の携帯会社の国際ローミングサービスを使う | スマホも番号もそのまま。準備が比較的簡単。設定さえすればすぐ使える。安心感がある。 | 割高になることが多い。データ量制限や1日の上限料金があるプランも。使いすぎると意外と高くなる。 |
| レンタルWi‑Fiルーター | 複数人で使うなら共有可。データ容量をある程度確保できる。日本で予約できる。 | ルーターを携帯する手間。バッテリー管理が必要。紛失・破損リスク。通信速度・回線品質が場所によって不安定なことも。 |
| フリーWi‑Fi + 日本のローミング or最低限のプラン | コスト最小限。Wi‑Fiがある施設で使えば十分なことも多い。 | Wi‑Fiが使えない時にデータがないと困る。地図検索などが使えないと不便。セキュリティの問題も。 |
手順とチェックすべきこと
- 日本の契約内容を確認する
・現在の携帯会社がオーストラリアでローミング可能か。
・ローミング料金(日/時間)はどれくらいか。
・データ通信・通話・SMSをどこまで許可しているか。
・ローミングの定額パックや上限を設定できるか。 - レンタルWi‑Fiの費用を比較する
・日本出発前にレンタル業者で借りる場合と、現地空港で借りる場合の価格差。
・データ容量(例:1日使い放題タイプか、GB指定か)。
・返却方法・紛失・故障時の保証。 - 必要最低ラインを見極める
・LINEやWhatsAppなどのメッセージ/音声通話アプリで十分か。
・地図検索・翻訳アプリを使いたいならデータ量を確保。
・緊急連絡先を使えるように日本の番号を維持することも考える。
シニアの方にとってのおすすめ
- ローミングを利用する際は「1日の上限料金」が設定されているパックを選ぶと安心。使いすぎて請求が大きくなるのを防げます。
- フリーWi‑Fiを頻繁に使う施設を中心に生活拠点を選ぶと便利(学校・近くのカフェ・図書館など)。
- 複数の通信手段を持っておく:例として、メインはローミング orレンタルWi‑Fi、もう一つは最低限の現地プリペイドSIMを持っておく。Wi‑Fiが使えない場所でのバックアップとして。
4週間~3カ月のおすすめ利用方法

4週間以上3カ月未満という中期の留学では、短期と同様に「日本の通信環境を活かす」方法と、長期のように「現地SIMに切り替える」方法の中間の選択が求められます。滞在期間がやや長めになるため、費用対効果の良いプランと現地生活での利便性のバランスをとることが重要です。
中期滞在ならではのポイント
- 学校やホームステイ先、地域の生活に慣れてきて行動範囲が広がる
- 日本との連絡頻度が高い人もいれば、現地での生活に集中したい人も
- 番号が必要になる手続きがある場合もあり得るが、絶対ではないケースが多い
- スマホ使用頻度(翻訳・地図・買い物アプリなど)が徐々に増える可能性が高い
主な選択肢
| 利用方法 | おすすめ理由 | 注意点 |
| 現地プリペイドSIM(45日・60日・90日有効タイプ) | 初期費用のみで期間内は自由にデータ通信/通話ができ、契約縛りなし。滞在期間に応じて最適な容量を選べる。 | 滞在中にチャージが必要なことがある。端末がSIMフリーである必要。購入時にパスポートが必要。 |
| eSIM利用 | 事前にオンラインで契約→到着後すぐ使える。複数プランがあり便利。端末により使えるかどうかが異なる。 | スマホがeSIM対応か要確認。インストール方法を理解しておく必要あり。 |
| ローミング+フリーWi‑Fiの組み合わせ(最低限の利用) | 日本の番号を維持しつつ、必要時のみローミング、あとは学校や寮・図書館のWi‑Fiで対応。 | データ通信が必要な場面では使えず不便。緊急連絡用に限るのが基本。 |
| レンタルWi‑Fi(長期対応プラン) | 複数人で共有したり、端末がSIMロックされている場合の代替策として使える。 | 持ち歩く手間、バッテリー管理。長期になるとコストがかさむ。故障・紛失のリスク。 |
シニアの方へのおすすめポイント
- 端末がSIMフリーであれば、現地プリペイドSIMの使用がもっともバランスが良い方法です。
- SIMの購入・設定が不安な場合は、アクティブウーマンを通してSIMプランを申し込むのがおすすめ◎。
- 滞在期間がちょうど中間のため、「最初の1ヶ月はローミング+Wi‑Fi → 2ヶ月目以降プリペイドSIMに切り替え」といった段階的な使い方も検討できます。
予算感の目安(2025年時点)
- プリペイドSIM(約30日):AUD $30~40程度(約3,000円前後)
- eSIM(45日~60日):オンラインで購入すると割安になるケースもあり
- レンタルWi‑Fi(1ヶ月):日本でレンタルすると5,000~10,000円程度、保険別途
留学が4週間以上になる方は、アクティブウーマンでSIMプランの手配が出来ますので、お気軽にご相談ください。
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長期留学(3か月以上/学生ビザ)の利用方法

学生ビザで長期滞在の場合、通信手段は「より安価で安定したもの」が望まれます。現地手続き(アルバイト、銀行口座、現地の行政など)でオーストラリアの電話番号が必要になることもあります。
日本の携帯会社のプランは解約または休止する
・解約しない場合、現在のプラン料金を払い続ける事になる
・解約手数料が必要な場合がる
・解約ではなく、休止(電話番号保管)をしておく
プリペイドSIMあるいは定額SIMを購入/契約する
- プリペイドSIM
長期でもプリペイドSIMは選択肢になります。チャージ(トップアップ)して使う方式で、契約期間の縛りなし。必要なデータ量分だけ購入できるので無駄が少ない。 - 月額契約(ポストペイド/定額プラン)
通信会社と月単位で契約します。データ・通話・SMSがパッケージされており、長期で使うとコストパフォーマンスがよくなります。ただし、滞在期間や身分証明書等の提出が必要なことが多い。
なぜ現地の電話番号が必要か
- アルバイトを探したり、雇用先と連絡を取る際、SMS認証などで現地番号を求められることあり。
- 銀行口座開設や住所登録など、現地生活上の各種手続き。
- 緊急時や学校・行政からの連絡など。「日本の番号だと国際SMS/通話で応答が難しい」ことがある。
SIMプランの手配をアクティブウーマンにお任せいただくこともできます!
提携の携帯電話会社(ぱとちゃん)のプランにお申込みいただくことで、ご出発までに
SIMカードをお渡しできます。面倒なプラン選びにお悩みの場合はお気軽にご相談ください!
SIMプラン料金表を見る▶
注意点

シニアの方が準備・利用する際の注意点をまとめました。
- SIMフリーかどうか確認する
日本のスマホがキャリア端末でロックされている場合、現地SIMが使えないことがあります。出発前に 「SIMロック解除」できるか、日本の携帯会社に問い合わせておく。 - パスポート等の本人確認書類が必要
現地でSIMを買うときは、通常パスポート等の写真付きIDの提示が求められる。学校の入学許可証や住所が必要なこともある。 - ローミング料金と通信量を事前に把握する
国際ローミングは便利だが、使った分が高くつく。特にデータ通信(バックグラウンドでのアプリ更新など)で思わぬ使用がされることも。
また、ローミングの日額上限があればそれを設定する。 - セキュリティに注意
フリーWi‑Fiを使う際は、個人情報を扱うサイト(銀行・クレジットカード関係など)にアクセスする際に暗号化がされているか、VPNを使うなど。
また、Wi‑Fi接続先を選ぶときは信頼できるところを。 - SIMの挿入/設定の準備
「APN設定」や 「eSIMプロファイルのインストール」などの初期設定が必要な場合がある。事前に手順を確認しておく。 - 動画の再生・ビデオ通話・地図アプリの表示はWi-Fi環境のみか、必要最低限の時間に留める。常時表示・再生しているとデータ通信料が高額になる恐れがあります。
シニア留学生に特におすすめの使い方
シニアの方ならではの事情(通信に慣れていない・予算が限られている・安全・簡単さを重視したい等)を考慮して、「こういう使い方」がおすすめです。
おすすめの組み合わせ例
| ケース | おすすめの組み合わせ | コメント |
| 1ヶ月未満/3週間以内の短期 | 日本のローミング+学校・滞在先・カフェのフリーWi‑Fi多用、もしくはレンタルWi‑Fiを短期間借りる | 短期間なので、番号を変える手間を避けたい。レンタルWi‑Fiは荷物になるが、全日自分でデータ使いたいなら十分な容量を借りる。 |
| 3~6ヶ月の滞在(学生ビザ) | 現地プリペイドSIMを早めに購入 or 月額プラン契約。到着後すぐ使えるよう空港で購入するか、学校の近くでキャリアショップを訪れる。 | 現地番号が必要になる手続きが出てくることがあるので、到着後すぐ準備できるようにしておく。データ容量は余裕を持って。 |
| アルバイトなど連絡が多く発生する人 | 定額プラン(現地キャリアとの月契約)+必要に応じて国際通話オプション | 国内通話・SMSがパッケージに含まれたプランが便利。日本との連絡は LINE 等を使えば通信料節約。 |
シニア留学者にとってのポイントチェックリスト

以下は、「オーストラリアで携帯を使う」にあたって、出発前・到着後に確認すべきことのチェックリストです。
| 項目 | 出発前に確認すること | 到着後に確認すること |
| 端末 | スマホが SIM フリーか/eSIM対応か | 現地でSIMを挿入/eSIMをインストールできるか |
| 日本の契約 | 国際ローミング料金(日額・データ量・通話等) | ローミングをオンにする/使い方の設定(データローミングなど) |
| 予算 | レンタルWi‑Fi費用、現地プリペイドSIMのコストを比較 | 月々の通信費が予算を超えないかチェック |
| 必要な通信量 | 地図・翻訳・動画・オンライン授業等でどれくらい必要か見当をつける | プランのデータ容量が足りないときはチャージ可能か調べる |
| 現地番号の必要性 | アルバイト/銀行/学校手続きなどで番号が必要か確認 | 番号を持っていないと手続きで支障が出ないか確認 |
| セキュリティ | フリーWi‑Fiを使う際のリスクや安全な接続手段(VPNなど)を知っておく | 信頼できるWi‑Fiを選ぶ/アプリのバックグラウンド通信を制限するなど |
まとめ:私ならこう選ぶ
シニア留学では、やはり「安全」「コスト」「使いやすさ」のバランスが大切です。短期滞在であれば、日本の携帯をそのまま利用できるローミングと現地のWi-Fiを中心に、必要に応じてレンタルWi-Fiを併用するのが安心です。長期の場合は、現地のSIMカード(月額プランやプリペイド)を利用してオーストラリアの番号を持つと、学校や生活の手続きにも便利です。普段お使いのLINEなどはそのまま利用できるので難しい操作もありません。また、Wi-Fiや電波が弱いときのために、通信手段をひとつ予備として準備しておくと、より安心して留学生活を楽しむことができますよ。



