50代、60代、そして70代のシニア留学は、短期から長期まで年々増えています。オーストラリアを中心に、シニア世代向けの留学は年々人気が高まっていますが、年齢を重ねてからの海外生活には、若い頃とは違った準備と心構えが必要です
やっと決心して渡航を決めても、現地で「こんなはずじゃなかった」とならないために、ぜひ留意しておいて欲しいことをまとめてみました。 専門家のアドバイスを元に、楽しい留学生活を送っていきましょう!
Contents
スケジュールを詰め込みすぎない
「あれもこれも」と欲張らないのが成功のカギ
せっかく海外に行くのだからと、観光もショッピングも詰め込みたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、シニア世代の留学で最も多い失敗例のひとつが「予定の詰め込みすぎ」です。
長時間のフライトや時差、慣れない食事や気候など、体には思った以上の負担がかかります。現地で体調を崩してしまうと、せっかくの学びや交流の機会を逃してしまいます。
現地では「今日はのんびりカフェで過ごす」「午後はホストファミリーとゆっくり会話を楽しむ」といった“余白の時間”を大切にしましょう。無理をせず、ゆったりとしたペースで日々を楽しむことが、充実したシニア留学のコツです。

若い留学生とも距離を置かない

「同じ学びの仲間」として心を開いてみよう
語学学校には10代、20代の若い学生も多く在籍しています。
「自分だけ年上で浮いてしまうのでは?」と心配する方もいますが、実際には多くの若者が年上の留学生を尊敬のまなざしで見ています。
「若い人と距離をおきすぎず、仲良くする努力をすること」が、現地生活をスムーズに進める秘訣です。英語を学ぶ目的はみんな同じ。年齢ではなく、仲間として接することで自然と打ち解けることができます。
「僕のお母さんと同じ歳だよ!」「日本の話、もっと聞かせて!」
そんな会話から生まれる交流が、留学生活をより豊かなものにしてくれます。
また、今はインバウンドが盛んなので、日本へ旅行経験のある外国人もたくさんいます。日本は多くの外国人にとって、ご飯も美味しく、人も優しく、再び訪れたい国の一つになっています。
航空券は6か月前の予約が安心
ゴールデンウィーク・お盆は特に要注意
「思い立ったらすぐ行動」も大切ですが、航空券の手配だけは早めが鉄則です。
特にゴールデンウィークやお盆のような日本の大型連休は、日本人旅行者だけでなくオーストラリア人の国内旅行者も増えるため、航空券の満席時期が非常に早いのが特徴です。
専門家は「6か月前には申し込みを済ませておくこと」を推奨しています。残席が少なくなるほど、チケット代も高騰します。逆に、早期予約をすれば、快適なフライトスケジュールで余裕をもって準備ができます。
留学準備の第一歩として、「航空券の確保」は最優先事項と考えましょう。
仲間と協力して助け合う

パッケージ型の留学ではチームワークが大切
シニア向けの短期留学プログラム(大人の旅行留学)では、同世代の仲間と一緒にグループで行動するスタイルが主流です。
ツアーのように一緒に授業を受けたり、観光や食事を共にしたりするため、「協力し合う姿勢」がとても重要です。
たとえば、誰かが英語で困っていたら通訳を手伝う、集合時間を共有する、体調を気づかって声をかける──。
小さな思いやりが積み重なって、心温まる絆が生まれます。
シニア留学では、“競争”ではなく“共感”が大切。
みんなで支え合いながら過ごすことで、帰国後も続く友情が生まれることも多いです。 また次のプログラムも一緒に行こうね!と約束しあう人も多いですよ。
ホストファミリーとは「感謝の気持ち」でつながる
単なる滞在先ではなく「家庭の一員」として過ごす
オーストラリアのホームステイ先は、基本的にボランティア精神で成り立っています。
高額な報酬を受け取っているわけではなく、「異文化交流をしたい」「海外からの学生を迎えたい」という思いで受け入れてくれている家庭がほとんどです。
そのため、“宿泊施設”ではなく“家族や友人”としての関係を築くことが大切です。
「食費以下の料金で受け入れてくれている」という意識を持ち、
「Thank you for having me.(受け入れてくれてありがとう)」
と一言添えるだけで、関係がぐっと良くなります。
食事が合わないときや困ったことがあっても、クレームではなく相談の形で伝えるのがポイント。感謝の気持ちを忘れなければ、きっとあたたかい思い出が残ります。
食べられないものがあったり、量が多すぎたり、ちょっと具合が悪い時も無理せずに、「本当に申し訳ないんだけど、ちょっと胃がもたれて食べられないの」というように、遠慮せずに伝えて大丈夫ですよ。

家族の理解と協力を得る
日本でのサポート体制が安心のもと
特に数週間〜数カ月の中期・長期留学では、日本に残る家族の協力が欠かせません。
特に精神的なサポートとして、 日本の家族にも応援してもらうことが大切です。
ご主人やお子さんに「しばらく家を空けること」をしっかり伝え、生活のサポートをお願いしておきましょう。郵便物の受け取り、公共料金の支払い、健康管理の連絡手段など、細かな部分を事前に話し合っておくと安心です。
また、家族が留学を前向きに応援してくれると、現地でも心に余裕が生まれます。
「帰ったらこの話をしよう」と思えるだけで、学びへの意欲がぐっと高まります。
心の準備:年齢を理由にあきらめない

自分のペースで挑戦できるのがシニア留学の魅力
「もう年だから…」「英語なんて覚えられない」と感じる方もいるかもしれません。
ですが、シニア留学の魅力は、年齢に縛られない自由な学びです。
時間とお金は、若いころよりもたくさんあるはず。
心にゆとりをもって、人生の中でなんでもトライする!という気持ちで
失敗しても、それも経験が増えた、と笑えるような時間を過ごして欲しいものです。
若い頃は仕事や家庭でできなかったことに、いま挑戦できる。
年齢を重ねたからこそ見える景色があり、同じ経験でも心に響く深さが違います。
語学学校の先生たちは年齢層の幅広い学生も歓迎しており、「人生経験のある生徒の方が会話が深くて面白い」と感じる教師も多いのです。
失敗を恐れず、ゆっくりでも自分のペースで一歩ずつ前進することが、留学成功のカギになります。
まとめ
「完璧な準備」より「楽しむ心」が大事
シニア留学を成功させるためには、体力・メンタル・人間関係、すべてにおいて「無理をしないこと」が大切です。
- スケジュールは詰め込みすぎない
- 若い留学生とも積極的に交流する
- 航空券は6カ月前に確保する
- グループでは助け合いの気持ちを
- ホストファミリーには感謝を
- 家族にはしっかり協力してもらう
これらのポイントを押さえておけば、初めての海外生活も安心して楽しめます。
大切なのは、「完璧な準備」よりも「楽しむ心」。
シニア留学は、これからの人生をより豊かにするための“ごほうび時間”です。
新しい出会い、異文化との触れ合い、そして自分自身の発見——。
きっと、その一歩が、あなたの人生に新しい輝きを与えてくれるはずです。

