この記事では、オーストラリア留学を考えている50代~60代のみなさんへ向けて、現地での「滞在方法」についてご紹介します。
語学学校に通う際、どこに住むかは大切なポイントです。特に初めての海外生活、不安も多いですよね。
日本と文化や生活習慣が異なるオーストラリアでは、「どんな環境で暮らすか」によって、留学生活の充実度も大きく変わってきます。
オーストラリアの語学学校では、多くの場合、「ホームステイ」か「学生寮(レジデンス)」のいずれかを手配してくれます。
最初は、1~3か月程ホームステイや寮に滞在し、その後は自分でシェアハウスを探して滞在する方法が一般的です。
ホームステイ、学生寮にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
この記事では、50代~60代の方が安心して留学生活を送れるよう
・ホームステイと学生寮の違い
・どんな人にどちらが向いているか
・文化や生活習慣の違いにどう対応するか
などをわかりやすく解説していきます。
Contents
ホームステイの特徴

ホームステイとは、オーストラリアの一般家庭に滞在しながら生活を共にするスタイルです。現地の「リアルな暮らし」を体験できるのが、何よりの魅力です。以下、ホームステイの特徴を細かく紹介していきます。
1. オーストラリアの文化を肌で感じられる
家族と一緒に暮らすことで、日常の会話や食事、習慣を通して、自然とオーストラリアの文化に触れることができます。教科書では学べない「本物の英語」や生活スタイルを体感できます。
2. 食事つきで安心
基本的に平日は朝・夕の2食、休日は3食の食事がついているため、留学中に自炊の手間がかかりません。特に到着直後や英語にまだ慣れていない時期には、非常に助かります。
炊事が苦手、買い物や料理に時間をかけたくないという方にもぴったりです。
平日2食・休日3食付きだけでなく、平日も3食付きや、食事なしで食事は自分で準備するタイプのホームステイを手配してくれる学校もあります。
3. シニア世代にも馴染みやすい環境
ホームステイをしている家庭では、50代~60代のホストマザーやホストファーザーも多く、同年代のホストとの会話や交流をする上で、若い学生がホームステイをするよりも気を遣わずにリラックスしながらできることが多いです。年齢が近いことで自然と親近感がわき、穏やかな関係を築きやすいのもポイントです。

4. 地元情報を教えてもらえる
ホストファミリーからは、ガイドブックには載っていないような「地元の穴場スポット」や「美味しいお店」などの情報を教えてもらえることも。
観光だけでなく、「暮らす」目線での情報は、現地での生活をより豊かなものにしてくれます。
🌸実際の体験談🌸
アクティブウーマンから過去ご渡航されたシニアのお客様は、ホストマザーと毎晩ワインを飲みながらおしゃべりをするのが楽しみだったそうです。ホストファミリーに地元の美味しいパン屋さんを教えてもらったり、シェアハウスを探すサポートもしてくれたりと仲良く交流をされていました。

5. 比較的空き状況が安定している
ホームステイは、学校が自ら選定している場合もあります。そのため、空き状況が比較的安定しており、1~2カ月前のお申込みでも手配が間に合う場合があります。
ホームステイの注意点・気を付けること

どんな滞在スタイルにも注意すべき点があります。
ホームステイにも、いくつか心得ておきたいポイントがありますので以下参考にしてみてください。
・家族の生活リズムに合わせる必要がある
基本的に「家族の一員」として暮らすため、食事の時間や入浴時間など、ある程度家族の生活スタイルに合わせる必要があります。
・各家庭のルールに従う必要がある
ホストファミリーごとに独自のルールがあることも。
例えば「洗濯は週1回まで」「夜10時以降は静かにする」など。
事前にルールをしっかり確認し、わからないことがあれば遠慮せずに聞いておきましょう。
・通学時間が長くなることも
ホームステイ先は、多くの場合市街中心部ではなく、郊外にあることが多いです。
そのため、バスや電車で40分~1時間ほどかけて通学する場合があります。
通学に時間がかかる分、現地の交通機関にも早く慣れるというメリットもありますが、
「近い方がいい」という方は、事前に通学距離についても確認しておくとよいでしょう。
学生寮の特徴 どんな人におすすめ?

学生寮とは、語学学校や大学が提携している学生専用の宿泊施設のことです。ホームステイとは違い、現地の家族と暮らすわけではなく、留学生同士が一つの建物の中で共同生活を送ります。特に都市部の語学学校では、寮が学校のすぐ近くにあることが多く、通学の負担が少ない点が魅力です。
1. 学校から近い場所にあることが多い
オーストラリアの多くの学生寮は、語学学校から徒歩圏内、あるいは公共交通機関で10~15分ほどの距離にあることが多いです。中には学校の敷地内に寮を持つ学校もあるので、朝の支度にバタバタすることもありません。通学時間が短いというのは、慣れない土地での生活では大きな安心材料です。
2. 留学生同士の交流ができる
同じ寮に滞在しているのは、ほとんどが留学生たちです。英語の勉強を目的に来ているという共通点があるため、友だちができやすく、お互いに励まし合える存在にもなります。授業外の時間でも英語を使う機会が増えるので、語学力アップにもつながります。

3. 生活スタイルの自由度が高い
ホームステイの場合は、家族の生活リズムにある程度合わせる必要がありますが、学生寮では基本的に自分のペースで生活できます。食事の時間も自由、外出や帰宅の時間も自分で調整できるので、「あまり人に気を遣いたくない」「自分のリズムで生活したい」という方には向いています。
4. 部屋のスタイルを選べる

学生寮では、「一人部屋」「二人部屋」「ユニット型(5~6人でキッチンとバスルームを共有)」など、いくつかのスタイルから選ぶことができます。特に50〜60代の方で、静かに過ごしたいという方は、一人部屋を選ぶと気楽です。
学生寮で気をつけたいこと

自由度の高い学生寮ですが、事前に知っておいたほうがいい注意点もいくつかあります。
1. 生活設備は「最低限」が基本
寮によって設備の質は異なりますが、基本的には「学生が最低限の生活を送れる程度」の家具や設備が整っているだけ、と思っておくと良いです。例えば、ベッド・机・椅子・収納・簡易キッチンなどは揃っていますが、高級ホテルのような快適さは期待しない方がよいでしょう。
また、寝具(シーツ・毛布・枕など)は自分で用意するよう求められることもあります。留学前に確認し、必要であれば現地で購入する準備をしておきましょう。

2. 清掃やゴミ出しは自分で
ホームステイと違い、寮生活では部屋の掃除やゴミ出しはすべて自己管理が多いです。共用エリア(キッチン、シャワー、トイレなど)も交代制で掃除するルールがある場合も多く、マナーや協力が求められます。
3. 英語環境とは限らない
寮にはさまざまな国の学生が集まるため、「英語を話すぞ!」と意気込んでいても、同じ国の人とばかり話してしまうこともよくあります。特に寮に日本人の割合が多い場合は、寮の中での会話も日本語中心になってしまう可能性もあるので、あえて他国の学生と積極的に関わる姿勢が大切です。
また、寮によっては同じ学校の生徒だけでなく、他の語学学校の学生や現地の大学生も滞在する学生寮があります。その場合は、キッチンやバスルームなども他の学校の学生と共有することになり、また相部屋は同性同士となりますが、共有スペースは男女ミックスということもありますので、気になる方は事前に確認が必要です。

4. 場合によっては騒音に注意
学生寮では共有スペースを複数の学生と共有することから、個室であっても同じユニットで生活している学生の年齢層やキャラクターによって、夜パーティをしたり、生活リズムが会わないことがあります。
夜早めに静かな環境で寝たいのに、音楽や話し声が漏れ聞こえてきてうるさい、2人部屋の場合は、ルームメイトが夜遅くなってもなかなか電気を消してくれないなど、相性によっては悩まされることも。どのような学生が一緒になるかは実際に入居してみないとわからないため、もしプライベートで静かな環境を望む方は、完全個室の寮やホームステイを検討すると安心です。
5. 防犯意識はしっかりと
基本的に学生寮は安全性の高い場所ですが、貴重品の管理や戸締まりはしっかり行いましょう。寮によってはセキュリティカードや監視カメラなどの安全対策が整っているところもありますが、油断は禁物です。
6.寮の方がホームステイより割高になる場合がある
特に都心の学生寮は語学学校が一定数の部屋を借り上げていることがあります。その場合、都心のビルの寮の場合は高額になる場合があります。尚、寮は食事がついていないため、資金に余裕がある方の方が安心です。
予算を抑えたい方は、ホームステイ、もしくはオーストラリアで唯一食事付きの学生寮を持つ学校もあるので選択肢としておすすめです。
7.空き状況が変動的
学生寮は人気があるため、半年先まで部屋が埋まっているということも。寮を希望の方は、早めのお申込みが安心です。
ホームステイと学生寮、どちらが自分に合っている?
ここで、「ホームステイと学生寮、どちらが自分に合っているのか」について、いくつかの視点から比較してみましょう。
| 比較項目 | ホームステイ | 学生寮 |
| 生活の自由度 | 家庭のルールに合わせる必要あり | 基本的に自由 |
| 食事 | 食事付き | 自炊が基本 |
| 英語環境 | 現地の家族と活きた英会話 | 他の学生次第 |
| 文化体験 | オーストラリアの家庭文化に 触れられる | 他の国の留学生との交流が中心 |
| プライバシー | 個室。共有スペースは家族と | 個室や2人部屋など。共有スペースは他学生と |
シニア世代が安心できる滞在方法とは?

特に50代・60代の方が初めての留学で生活を始める場合、
安心感を重視し、費用を抑えたい方にはホームステイが向いています。自由度・自立した生活を望み、ある程度資金に余裕のある方には学生寮がおすすめです。
3食付き学生寮という選択肢
学生寮といえば一般的には、食事が自己負担でシェアハウスタイプの学生向けレジデンスというものです。
ですが、そうではなく、学校敷地内に独自の学生寮を持つ語学学校があります。
その学校の生徒(スタッフ)のみが住んでいて、敷地内なので通学時間が不要。食事も3食すべて用意されるのでお金と時間の節約にもなります。
一緒に学ぶ世界中の留学生と共に生活をして英語学習に取り組むので、もちろん会話の機会が多いですし、年齢や国籍の違う学生同士よい刺激を与え合える環境です。
校内の学生寮ですので、秩序や常識を守って生活できるという安心感があります。
★シニア世代の方に特におすすめしたいポイント★
それは、「人の作ったご飯を食べる」という事です。
実は留学では英語学習よりも、家事や食事の準備の方が負担が大きい場合があります。慣れない環境での生活はそれだけでストレスを感じやすいですし、英語に対して焦りを感じていると、そんな時に家事や料理に時間を費やすことが「もったいない」「もっと英語を勉強したい」となります。
それに、いつも日本でお仕事や家事育児で忙しくしているシニア留学生だからこそ、この時ばかりは「自分」のためだけに時間を使って欲しいと思います。
お料理や家事が得意な方は、学生同士で郷土料理を作って週末パーティーを楽しむのもいいですよね!

ホームステイでの習慣の違いやトラブルにはどう対応する?
年齢を重ねてからの留学には、若い頃とは違った視点や価値観があり、それがホームステイ生活でも良いスパイスになります。とはいえ、文化や習慣の違い、英語でのやり取りなど、最初は少し不安に感じることもあるでしょう。今回は、そんな不安を少しでも軽くするために、ホームステイの生活でよくある疑問や対応の仕方をご紹介します。
まずは「自分の希望」を伝えておく
ホームステイを申し込む際には、いくつかの希望条件を出すことができます。特に大切なのが以下の点です:
●タバコを吸うかどうか
●ファミリーのペットの有無(犬や猫など)
●ファミリーの子供の有無
●アレルギーの有無(食べ物、動物など)
これらは、ホストファミリーの選定に大きく関わるポイントです。特にアレルギーに関しては健康に直結しますので、必ず詳しく伝えておきましょう。
アレルギーや健康のことに関しては、「ちょっと気になるかも」というレベルでも、事前に申告しておくと安心です。
また、食事についての希望(ベジタリアンや食材の制限など)や、宗教上避けたいことがあれば、これも申し込み時に伝えておきましょう。
また、オーストラリアでは犬や猫などのペットを飼っている家庭が多いです。動物アレルギーがあったり、ペットNGの方はホストファミリーの選定に少し時間がかかる可能性があるので、早めにエージェントに相談をするといいでしょう。

違いがあるのは当たり前。でも、それを楽しむ心を忘れずに
オーストラリアと日本では文化が違います。それはつまり、「当たり前」が違うということです。
例えば:
- シャワーの時間が短い(5〜10分以内が一般的)
- 靴を履いたまま家の中に入る家庭もある
- 「察する」文化ではなく、はっきり言葉にする文化
オーストラリアは水不足になることもあり、水は貴重です。そのため、日本のようにバスタブにお湯をためて、あるいは水を長い時間出しっぱなしにすることはありません。
シャワーの水は出しっぱなしにせず、こまめに止めながらシャワーを浴びるようにしましょう。
また、最初は習慣の違いに驚くこともあるかもしれません。でも、これらの違いは、相手を知り、自分を伝えるチャンスでもあります。
たとえば、食事の量が多くて食べきれないと感じたら、「少なめにしてもらえると助かります」と素直に伝えてみましょう。特定の食材が苦手な場合も、「これはちょっと苦手で…」と事前に言っておくことで、お互いにストレスが少なくなります。
ここで大事なのは、「我慢しないこと」。オーストラリアでは、自分の希望や気持ちをきちんと伝えることが大切とされています。日本のように察する文化ではないので、逆にはっきりと伝えてもらった方がホストファミリーも理解してくれ、より良い関係へと繋がります。
もし、ホストファミリーとコミュニケーションをとってもなかなか解決しない問題がある場合などは、学校にも相談してみましょう。学校でホストファミリーを手配している場合は、ホストファミリーと学生の双方の事情を確認して対応してくれたり、アドバイスをしてくれます。

会話は難しく考えすぎず、まずは「一言」から
「英語がうまく話せないから迷惑かけるかも…」と不安に思う方も多いですが、最初から完璧を目指す必要はまったくありません。
ホストファミリーは、外国からの留学生を受け入れる経験があるため、ゆっくり・はっきり・簡単な英語で話してくれる家族も多いです。また、身振り手振りを使って、工夫すればちゃんと伝わります。
毎日の挨拶から始めましょう。
- Good morning.(おはようございます)
- How was your day?(今日はどんな一日でしたか?)
- Thank you for dinner.(夕食ありがとう)
- Is there anything I can help you with? (何か手伝えることはありますか)
こうした一言が、距離をぐっと縮めてくれます。「文法が合ってるか心配…」と悩むよりも、伝えようとする姿勢が何より大切です。
食文化の違いも、留学のスパイス!

オーストラリアの家庭料理は、家庭によってさまざま。イギリス風のローストディナーの日もあれば、アジア系の炒め物が出てくることもあります。スーパーには世界中の食材が並び、多文化国家ならではのバラエティ豊かな食生活が楽しめます。
でも、日本のように「味噌汁と白米」のような食事に慣れていると、パンやポテト中心の食事はちょっと重たく感じるかもしれません。
そんなときは、
- 自分で簡単な日本食を作ってみる(ホストにシェアすると喜ばれることも)
- スーパーマーケットでインスタント味噌汁やお茶を買う
- 「胃に優しい日」を作る
など、自分に合った工夫をしてみましょう。無理に合わせすぎず、自分のペースを保つことも大切です。
まとめ:自分に合った滞在スタイルで、オーストラリア生活をより豊かに
オーストラリアへの留学を考えるとき、「ホームステイ」と「学生寮」、どちらに滞在するかは大きなポイントです。それぞれに良さがあり、どちらが正解ということはありません。大切なのはご自身の性格やライフスタイルに合っているかどうかです。
ホームステイは、家族の一員として現地の文化に深く触れられる機会があり、温かい交流が生まれやすいスタイルです。特に50代・60代の方にとっては、「家庭の中に入ること」で、よりリアルなオーストラリアを体験でき、人生経験を活かした会話ややり取りができる点が魅力です。
一方、学生寮は自由度が高く、幅広い年齢や国籍の留学生との出会いや交流が盛んで、マイペースに過ごしたい方や、生活リズムを自分でコントロールしたい方に向いています。
また、ホームステイで直面しがちな「文化の違い」や「言葉の壁」も、事前にしっかり希望を伝えたり、学校スタッフに相談したりすることで、十分に乗り越えていくことができます。不安があるからこそ、自分から積極的にコミュニケーションをとる姿勢がとても大切です。
年齢に関係なく、新しい文化の中に飛び込むことで得られる学びや気づきは、これからの人生にも必ずプラスになります。

